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福田萌が“妊娠30週”での飛行機搭乗でトラブルに。新生児にも悪影響の恐れが…なぜ危ないのか

 タレントの福田萌が自身のインスタグラムで妊娠30週での飛行機搭乗の際、チェックインで「診断書を見せないと搭乗できない」と言われ、トラブル寸前であったことを書き込んだ。実際は、交渉の末に搭乗できたと言っているのだが、これがネットニュースになると大きな騒動になっている。
福田萌公式インスタグラム

※福田萌公式インスタグラムより

 そもそも福田萌は38歳のタレントで、オリエンタルラジオの中田敦彦と結婚し、現在シンガポールに在住している。第三子出産準備のために、帰国しようとしてシンガポール空港でのチェックインの際に止められたという。飛行機搭乗は、本当に妊婦によくないのだろうか。搭乗が妊婦に与える影響を考察してみた。

酸素不足が新生児に悪影響を

 機内の気圧は地上とは違う。1万メートル以上もの高空を飛ぶジェット旅客機は、気圧を地上と近づけるように保つため、“与圧”をしており、機種によっても違うのだが、機内気圧は約0.8気圧程度で、標高約2000メートルと同じ環境に保たれている。  この環境の機内で長時間座位であることで、エコノミークラス症候群と呼ばれる血栓が発生するリスクが高まる。これは妊娠後期にも起こりやすい問題であり、飛行中の血栓が肺塞栓症などの深刻な合併症を引き起こす可能性がある。  また、酸素濃度は地上よりも低い。気圧の低下に伴い空気中の酸素の圧力も地上の約80%となることから、妊娠後期の妊婦や新生児にも酸素不足が悪影響をおよぼす可能性がある

緊急の場合は臨時着陸にも

 機内温度は、22~26℃に調整されている。温度は調節が効くのだが、人によっては調節された温度でも寒く感じることがあり、冷えは母子ともにいい影響を与えることはない。  湿度については客室に取り入れる外気の湿度が極めて低く、地上での快適な湿度が40~60%と言われている中、長時間飛行の場合20%以下まで低下する。機内の乾燥で、体内の水分が足りなくなり、目の乾き、のどや鼻の痛みを感じることがある。また、妊娠中のホルモンバランスが変化し、皮膚の水分保持能力が低下することも考えられる。  最大の課題としては、飛行中に妊婦が健康上の問題を抱えた場合、空の上ではすぐには医療施設へアクセスができないこと。機内には緊急時の医療キットも装備されてはいるが、出産に対応できるところまで用意されていないのが通例だ。そのため、緊急の場合はすぐに着陸できる目的地に臨時着陸などという事態にもなりうる
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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