更新日:2024年06月12日 17:40
ライフ

突然、性格が変わってしまった32歳女性。告げられた病名は「理由もわからず怒りが湧いて…」

幼い頃に親から受けた心の傷や性被害などが、大人になってから強烈な心身の不調を引き起こすことがある。その症状は発達障害によく似ているが、実はトラウマによる「複雑性PTSD」の可能性がある――そう指摘するのは、『トラウマからの回復』の著者、精神科医・生野信弘氏だ。 「第4の発達障害」とも呼ばれる、複雑性PTSDから回復する道を探った。

彼の幼少期の話を聞いたことがきっかけで…

見落とされた[第4の発達障害]

体調悪化後、長時間の外出が難しい。「最後に美容院に行ったのは2年前」と語る

「朝、目が覚めると体が鉛のように重い。歯を磨くという行為も意味不明に“怖い” と感じて、磨き始めるまでに2時間かかります」。そう話すのは、都内メーカーに勤務する鴨目沙耶さん(仮名・32歳)。 「3年前までは仕事も問題なくこなし、私生活でも結婚を視野に入れた彼氏と4年前から同棲するなど、順風満帆な生活を送っていました。ですが、彼の幼少期の話を聞いたことがきっかけで不調が目立ち始めたんです」

無理やり塾通いをさせられた幼少期

実は鴨目さんは大学卒業後、過度に教育熱心な両親から逃れるために実家を出て、一人暮らしを始めている。 「彼の家もとても教育熱心で、悪い成績を取ると執拗に責められたそうです。私も『地元の国立に入れないヤツはクズだ』と言われたり、小学4年生のころから行きたくないのに無理やり塾通いをさせられたりと、境遇がとても似ていました。でも、自分の中では過去のこととして清算したつもりだったのに……」
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理由もわからず怒りが込み上げる
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トラウマからの回復トラウマからの回復

ミスが多い、集中力が続かない、癇癪を起こす、先のばし癖……もしかしてその裏には「トラウマ」が隠れているかもしれません。

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