「保育園の洗礼」試されるのは子どもではなく親。“慣らし保育”はGW明けで振り出しに
新生活が始まって約1ヵ月あまり。ほんの少しだけ慣れてきたこの時期に「保育園の洗礼」に悩む姿が毎年恒例の光景だと、山梨県内の認可保育園に勤めるベテラン保育士が言う。ただ、むしろ心配なのは、子どもではなく親のほうなのだとか……。いったい、どういうことなのか?
保育園や幼稚園の入園をきっかけに、初めて親と離れる子どもも少なくない。最初の3日ほどはワケがわからずキョトンとしているが、徐々にここで親と離れなければいけなくなることを理解していく。そして毎朝のけぞるほど泣きわめく子も多いという。
「親もなだめてあげたい気持ちがありながら、出勤時間もあるので後ろ髪を引かれる思いで去っていきます。だいたい入園から1か月ぐらいはそういう状態が続くのですが、親も涙目ですね」(ベテラン保育士)
実際に2人の子どもの入園を経験した筆者(新田ミキ)もそのひとり。上の子は入園から1〜2ヵ月間、園内に響き渡るほど大きな声で泣いていた。そんな中でも始業時間を気にして逃げるように去らなければならないのは、なかなか辛いものがある。
涙をこらえながら会社に向かい、「これでいいのか……」と働き方に不安を覚えたのもこの時期だった。
初めて子どもを手放すタイミングが「入園」であることは珍しくない。入園をきっかけに改めて“育児”を考える親も多いだろう。
多くの子どもたちが入園して数週間で風邪を引いたり胃腸炎にかかったりする。集団生活により今まで触れたことのない菌やウイルスに触れるからだ。
これを「保育園の洗礼」と呼ぶが、一方、親はその看病で、新年度そうそう仕事を休まなければならないのは“あるある”で、罪悪感に苦しむこととなるのだ。筆者のママ友が本音を吐露する。
「職場に対して休んでしまい申し訳ない気持ちを抱えたままの看病はいっそうツラい。体調不良の子どもを預けて仕事にいったこともあるけど、どちらにせよ心にしこりが残ります。
ようやく体調が回復し、保育園に行けるようになる頃、今度は自分にうつってしまって立て続けに会社を休むはめに……負のループですね」
入園して3ヶ月間は1週間まともに通勤できなかったというママ友もいる。
体調不良による“洗礼”を防ぐには手洗いうがいの基本的なウイルス対策のほか、栄養バランスの整った食事や睡眠などの生活習慣も重要だ。
ただし献立を考えたり就寝時間を考えた逆算行動をしたりする負担は、“見えない家事”ともいわれ、育児の中でもパートナーに気づかれにくい傾向にある。
共働きで2人の子どもを育てている筆者も、忙しい毎日のなかでの体調管理は特に大変さを実感している。
新年度は子どものことだけでなく、自分の仕事も気になり不安が募る時期。大きな負担を感じやすいこの時期は、夫婦で互いに気遣いながら生活する必要があるだろう。
ギャン泣きの子どもに後ろ髪をひかれる親
入園して数週間後に訪れる“保育園の洗礼”
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フリーライター。1987年、埼玉県生まれ。山梨在住2児の母。子どもが小学生に上がるタイミングで正社員からフリーランスに転身。X(旧Twitter:@mikifreeeee)ではフリーランスママのありのままを発信中。2023年に“小1の壁”をテーマにした電子書籍『小1の壁×在宅ワーク』を出版。
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