“違法な攻略法”で稼いだ50歳元パチプロの「その後の人生」。ブラック企業に就職した結果…
朝から晩までパチンコやパチスロを打ち、勝ち金で生活をするパチプロ。20代ならまだしも、30代、40代となるにつれ、世間の風当たりの強さに足を洗う者も多い。気ままな稼業の代名詞とも言われる彼らは、一体どんな人生を歩んでいるのだろうか。
今回は前回に引き続き、パチスロの「セット打法」でしのいだ経験のある大場裕樹さん(仮名・50歳)が歩んできた壮絶な人生の後編をお届けする。
バンドを組んでメジャーデビューを夢見て上京した大場さんは、その夢の途中でパチンコ・パチスロの虜となり、ギターを弾く日々からレバーを叩く日々へと移り変わっていく。そしてパチスロ店でたまたま出会った、3つ上の「ヤマちゃん」という人にセット打法の勧誘を受けることに……。
指示通りに打つと、本当にビッグが揃い続け、見事大勝ちに成功。大場さんはセット打法についてさらに詳しく知ろうとしたが、グループやネタの出所については堅く口を閉ざしていたという。
「私が聞いたのは、セット打法は裏モノのロムを仕込む業者にとって“保険”だということ。裏ロムなんて、それ自体違法なわけじゃないですか。業者は踏み倒されたら警察に言うわけにもいかないし……ってワケで、トラブルになったときの保険としてセット打法を仕込んでいるということはヤマちゃんから聞きましたね。ただ、ネタの出所などは何度聞いても一切口を割りませんでした」
セット打法のネタが来るのは数か月に一度程度。しかも、万枚出せるようなものではなかったと大場さんは話す。
「抜いた枚数は最高でも5千枚くらいだったと思います。万枚なんて出したことないですし、勝ち金はその場でヤマちゃんに半分渡していましたから、ウハウハじゃなかったですよ。他にもメンバーがいたようなので、抜いた総額はもっとあったんじゃないかと思いますが、同じ店に何度も行くってことはなかったですね。正直、その辺の事情については、ヤマちゃんは絶対に教えてくれなかったんです。一度、セット打法をやり始めた途端、店長らしき人がヤマちゃんに声を掛けて、裏に連れていかれたんですが、ものの10分ほどで戻って来て、『話はついたから、今日は帰ろう』って。あのときはさすがに冷や冷やしましたね(苦笑)」
こうした事情があったため、大場さんにとってセット打法は「たまにやる割のいいバイト」程度の感覚だったという。
セット打法は業者にとって“保険”
店長に裏に連れて行かれることも…
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
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