「連れが来るまで待たせて」居酒屋店長が遭遇した“図々しすぎる客”。何も頼まず1時間半も居座った末に…
世の中には、相手を傷つけたり恥をかかせたりしないよう遠回しに注意を促しても、気づいてくれない人もいる。これが客とスタッフの関係である場合、「気も使うし、あまりキツくは言えないというのが頭の痛いところ」だと話してくれたのは、井上彰さん(仮名・37歳)。
「そのお客Sは、当日の開店間際に電話してきて、『17時半から予約したい』と言いました。アルコールの割引をおこなうハッピーアワーなどを実施しているときは別ですが、平日の17時半は、基本ヒマ。そのため、大歓迎でOKしました」
店を開けるとすぐ、予約していた2人のうちの1人、Sが店へやってききた。「連れが店へ来るまで待たせてほしい」と言う。開店時間は、17時。予約の時間は、17時半だったが、外は雨。井上さんは、快く予約席へ案内した。
「メニューでも見てゆっくりしてもらおうと、お冷(水)とおしぼりを提供したのですが、スマホを片手にチラリとこちらを見ただけ。メニュー表や注文用タブレット端末に触れる様子もなく、ひたすらスマホをしている様子でした」
さらに、水のおかわりがひどい。予約時間の17時半が到達する前に、水を3杯もおかわりした。「めっちゃ飲みますね。ソフトドリンクでも注文してくれたらいいのにね」と愚痴をいうスタッフもいたが、井上さんは「喉が渇いていたのかも?」と諭している。
「注文は揃ってからかな?と思って待っていたのですが、17時半を過ぎても、もうひとりの連れが現れないのです。15分ほど待ってから、『お連れ様は、何時頃ご到着予定ですか?』と確認すると謝罪もなく、『いま向かっているみたいです』とだけ返答がありました」
そして、またもや水のおかわりを要求。「ちょっと図々しいな」と思いつつも、もうひとりが来るまでにそう時間はかからないだろうと予測し、最後の無料サービスのつもりで新しい水を注いだグラスを提供した。
「ところが、それから10分が経ってもSの連れという人は来る気配がありません。そのため、18時ジャストになったときから『お連れ様の到着は何時頃になりそうですか?』と、10分ごとに声をかけることにしたのです」
居酒屋で雇われ店長として業務を任されている井上さんはある日、とんでもなく図々しい迷惑客と遭遇したと話す。けれど、それが故意なのか、それとも店に迷惑をかけていることに気づいていないだけなのか、いまも悶々としたままなのだとか。
「連れが店へ来るまで待たせて」
30分で水を3杯もおかわりした
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フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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