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500億円で買収されたFrancfranc…「海外展開の失敗」がターニングポイントに

 中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。  インテリア雑貨などを販売するFrancfrancが、「アイン薬局」を展開するアインホールディングスに買収されました。およそ500億円でアインが全株を取得します。  Francfrancは20代から30代の女性にファンが多いブランドですが、長きに渡って成長しきれなかったという過去があります。買収を機に成長軌道へと乗せることができるのでしょうか。
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Tsubasa Mfg – stock.adobe.com

消費者に対して幅広い選択肢を提示できる

 アインは調剤薬局だけでなく、「アインズ&トルペ」というコスメに特化した店舗を展開しています。今回の買収によって、インテリア雑貨とコスメという異なる商品カテゴリーのブランドが連携することとなり、消費者に対して幅広い選択肢を提示できるようになります。  具体的には、Francfrancにコスメ関連の商品を陳列し、顧客はスタンド型ミラーとリップを同時に購入。顧客満足度を上げると同時に、会社としての収益性を高めるといったものです。 「アインズ&トルペ」によるリテール事業の売上高は全体の8%ほど。Francfrancの取得によって、リテールは16%まで高まります。将来的には構成比率を20~30%まで引き上げる計画です。

Francfranc上場廃止後の売上成長は限定的?

 ドラッグストアチェーンにおけるコスメカテゴリーは、マツキヨココカラ&カンパニーが圧倒的な強さを持つ領域。「アインズ&トルペ」が女性の支持層が厚いFrancfrancのブランドを巧みに活用することができれば、苛烈を極めるドラッグストア業界に風穴を開けることになるかもしれません。  アインは2024年9月4日に上半期の業績予想の上方修正を発表し、売上高を従来予想比7.0%増の2136億円、営業利益を同1.9%増の67億円に引き上げました。  ただし、Francfrancの成長は長らく停滞気味。  この会社はもともとバルスという社名で東証一部に上場していました。しかし、2012年1月にMBO(経営陣による買収)で上場廃止となっています。  上場廃止前の2011年1月期の売上高は333億円。アインに買収される前の2023年8月期の売上高は394億円。2021年8月期からの売上成長スピードはコロナ禍からの回復で速いものの、中長期的には伸びていません。  なお、「無印良品」の良品計画は2011年2月期の売上高が1697億円で、2023年8月期が5814億円でした。3.4倍に拡大しています。
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非上場化した目的の一つである「海外展開の失敗」
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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