お金

「45万円相当の仮想通貨」が“消失”した。海外の取引所に返還申請してみた結果は…

『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』の作者であるハッシー橋本が、漫画で稼いだカネで“怪しい投資”に挑む実録マンガ。一般の人が手を出しにくい投資を攻略して“億り人”になることはできるのか——。 仮想通貨 仮想通貨 仮想通貨 仮想通貨

第百七十話 消貨

 仮想通貨の世界に足を踏み入れて早数年。いろんなことがあったけど、こんな恐怖体験は初めてだ……。その名も「GOXした事件」。仮想通貨に詳しい人なら、これがどれだけ恐ろしいか、わかってくれるはず。  仮想通貨を送金する際に、たった一つのミスで、資産がデジタルの海の藻屑となって消える。つまり、ほぼ取り戻せない。今回、それを自分が経験することになるとは…。  話はAtomという仮想通貨をウォレットから取引所へ移動させた時にさかのぼる。アドレスやチェーンは完璧。いつものように慎重に確認して入力した。ここまでは100点満点。  ところが……! 大事な「メモ」の入力をすっかり忘れていたのだ。  気づかぬまま送金ボタンを押して、取引所に反映されるのを待っていた。しかし、待てど暮らせどAtomは取引履歴に現れない。 「おかしいなぁ……いつもならすぐ反映されるのに」と焦り始める。  しかし、ここで気づくべきだった。「何かミスったんじゃないか?」と……。でも、その時はまさか自分がミスするなんて思わず、油断していたのだ。

45万円が宙に消えた…!?

 そして翌日。さすがにおかしいと思い、再度確認。いろいろ調べる中で、ついに気づいてしまった。あの見逃していた「メモ」欄に記入すべき数字が空白になっていたことに!  その瞬間、すべてがつながり、頭の中で電撃が走った。 「ぎゃーーーーーー!GOXした!!!!」  仮想通貨の世界は自己責任の塊。ミスを犯せば、それは自分の責任。取引所は「はい、どうぞ」と簡単にお金を返してくれるわけではない。  しかも今回の金額は、なんと45万円……。まさに一瞬で宙に消えたように感じた。

希望を捨てずに模索した結果…

「いや、待て。まだ希望はあるかもしれない!」と、自分を奮い立たせて、取引所のヘルプページをくまなく探し、カスタマーサポートに助けを求めた。 「どうにかならんか!?」と祈るような気持ちで問い合わせたら、なんと返還申請を出せば対応してもらえるかもしれないと返事がきた。 「おおおお、助かるかもしれん! あぶねーーー!!!」  すぐさま返還申請を出し、承認を待つこと数日。その間、心臓はドキドキ、胃はキリキリ。気持ちはまるでジェットコースターに乗っているかのようだった。  しかし、待望の瞬間がついにやってきた。無事、返還されていたのだ! そう、45万円が戻ってきたのである。 「めでたし、めでたし……!」

痛い目をみて学んだこと

 今回の件で、改めて肝に銘じたことがある。詐欺対策に気をつけるのはもちろんだが、基本的なミスにも常に気を配らなければならないということだ。  仮想通貨の送金は、絶対に慎重に、そして油断せずに行わなければならない。今回の失敗でその教訓を骨身にしみるほど学んだ。  やっぱり人間、痛い目をみないと本当に学べないもんだなぁ。  これからは、もう二度と「ぎゃー!」と叫ばないように、万全の体制で取引を行う所存である。 漫画・文/ハッシー橋本
愛知県出身の漫画家。パチンコ・パチスロ漫画を中心に活躍し、‘15年より月刊ヤングマガジンで連載を始めた『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』が大ヒット。サウナとビールの愉悦を描いた『極上!サウナめし』はサウナ好き必見の一冊 Twitter @hashimotosan84

おすすめ記事