タイの保険が資産運用先として注目を集めるわけ
タイの保険は日本のものとは随分と考え方が違ったりするのでおもしろい。
例えば、自動車保険は人身事故の賠償よりも物損の方が金額が高く設定されている。ある会社の設定は対人上限が100万バーツ(約250万円)に対して、物損は500万バーツ(約1250万円)となっている。ここではある意味“人の命はものより安い”のだ。
自損事故を起こしても修理代は100%出る。例え自分のミスであってもだ。
http://www.wfc.asia>
さらに、日本の自動車保険では、保険を使うと次の年の保険料が上がったりするが、タイの場合、他社に切り替えていくことで保険料を抑え続けることもできるので、変な話、事故を起こしてもあまり痛くない。
結果的に、運転マナーが荒くなり、車優先社会ができあがるというわけだ。
このように、保険料の低さや税制上の優遇措置などなかなか興味深いタイの保険制度。これが、「資産運用」先として注目され始めているという。なぜならば、タイの保険商品は日本と比べかなり保険料を抑えられるし、日本では加入が難しい海外の保険商品も手軽に選択できるからだという。
「ワークパーミットもしくはタイ滞在の合法的なビザを保有していることが条件になりますが、タイの保険では積立型で優れた商品があります」と言うのは保険紹介のWFC・バンコク担当者。ビザ保有者であるということが前提となるので、赴任もしくは現地で就職して商用ビザを取得しなければならないというハードルはあるが、それを補って余りある魅力があるという。それが金利である。
「例えば、オランダのINGの積立型生命保険は優れていて、35歳くらいの方が年間約12.9万バーツ(約32万円)を10年間積み立てた場合、20年後の満期時には最大で約280%くらいに増えます」
およそ320万円の総積立額で1000万円近くにもなるのだから魅力的だ。しかもタイは保険に関わる受取金(保険金、満期受け取り金、配当、途中返戻金など)はすべて非課税なのでまるまる手に入るのである。
ほぼ同じ条件のものを日本の保険会社で加入すると、積立総額は720万円くらいになってしまい、受取額は積立てた額と大して変わらなくなってしまう。
「タイは保険料が安い上に金利も高いので利回りがいい。運用は予定利率で4%くらいでしょう」
あくまで在住者向けではあるものの、タイ国内には日本人向けに保険商品を紹介する紹介所が多数進出し始めているという。タイで加入して日本で受け取る事も可能だというので向こうに赴任する駐在員などが在タイのうちに加入することも多いのだとか。
不況や災害などで未来が不安な昨今。キャピタルフライトが話題になっている。その流れで、東南アジアへの投資も注目され始めている。ラオスなどは、証券取引所がオープンしてまだ日が浅く銘柄も少ないものの、海外投資に興味を持つ外国人らの興味を引いているのが現状だ。
タイの保険もそんな投資先の一つとして定着するかも??
<取材・文/高田胤臣 取材協力:WFC(BKK)Co.,Ltd
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ