兵庫「但馬」の山村でアーティスト暮らしができる!?【後編】
日本をつなげ!プロジェクト
~電気自動車で全国の「元気!」を突撃レポート~
第3回:兵庫県養父市『おおやアート村 BIG LABO』
三菱『iMiEV』で兵庫但馬の山村へ。移住アーティスト募集計画が進む『おおやアート村』で、実際に活動するアーティストさんに話しを聞いた!
→【前編】はこちら
◆やりたいことがあったら、まずやってみればいい!
取材に伺った当日は、木造校舎で書道家の前田華汀(かてい)さんが篆刻と書道のワークショップをやっていた。普通の指導教室のように「お手本」をなぞるだけじゃなく、自由な発想で書を楽しんでいる雰囲気がいい感じ。木造校舎の窓に貼られていた前田さんの『道』と描かれた作品にも、山村アートならではのふんわかとした居心地の良さがある。
前田さんは、養父市内の旧大屋(おおや)町の高校を卒業後、上京して書道家の金子鴎亭氏の内弟子になった。そのまま東京で書道家としてやっていくつもりだったが、父親の死をきっかけに但馬で暮らしていくことを決意したという。現在は地場産品のパッケージデザインを手掛けるなど書道家としての活動とともに、こうしたワークショップや書道教室を開いて『おおやアート村』のキーパーソンの一人として活躍している。
故郷とはいえ、書道家として田舎でやっていけるか、前田さんも当初は不安だったという。でも今では「やっていけるかどうかは結局自分の動き次第。やりたいと思うことがあったらまずやってみて、苦しかったらそれに見合ったやり方を見つければいい」と感じている。田舎特有の人間関係の濃さはあるけれど、今回の募集でやってくるアーティストには「田舎ならではの人間への興味を利用して、新しいアイデアでユニークな活動をしてほしい」と期待している。
そもそも、この大屋の町では平成6年(1994)から『木彫フォークアートおおや』という全国公募展を開催してきたアートの町としての伝統があり、『おおやアート村 BIG LABO』設立を含む『おおやアート村構想』が進められている。前田さんをはじめ、養父市在住の書、木彫、絵画、写真、染色などのアーティストのネットワークが作られて、精力的に活動しているのだ。
但馬地方は、松葉ガニや但馬牛の産地として知られている。米や野菜も新鮮でおいしいものがいっぱいだ。今の時代、田舎に住んでいても情報発信は簡単にできる。「自分はこんなもんじゃない!」という思いを抱いてくすぶっているアーティスト(あるいは志望)のアナタ。家賃の高い都会で日々の暮らしに追われるよりも、但馬の山村で自然と仲良く暮らしながらおいしく創作活動をするほうが、アーティストとしていい仕事ができるんじゃない?
『おおやアート村 BIG LABO』
兵庫県養父市大屋町加保7
TEL:079-669-2449
【コラム】市町村にひとつは急速充電器があるといいなあ……
今回のEV充電ドライブは、東京から兵庫まで。東名高速道路のSAには急速充電器があるから大丈夫、と思っていたら、名古屋から先は歯抜け状態で、それほどスムーズなロングドライブとはいかなかった。
実は、兵庫北部は私の故郷。いつもなら東名~名神から中国自動車道に入り、吉川JCTから舞鶴若狭自動車道の春日ICを経由するルートで走る。でも、大阪から兵庫北部へのルート上に急速充電器が少なかったので、名神を京都で下りて、途中の道の駅などに急速充電器がしっかり設置されている国道9号線で但馬を目指すことにした。充電器にルートが制約されてしまうあたりは、まだまだ日本のEV文化は発展途上といえる。
今、日本の高速道路でSAに急速充電器が設置されているのはほぼ東名だけといっていい。一般道では各地の道の駅などにぽつりぽつりと整備が進みつつあるが、全国の急速充電器をリストで見ると、その多くが日産と三菱のディーラーであることがわかる。
EVに充電しても電気代はたかが知れているので、既存のガソリンスタンドのように「商売」として急速充電器網を広げるのは無理がある。ここはひとつ「急速充電器はガードレールや信号機のような道路インフラ」と割り切って、全国の市町村に必ず1つは24時間利用できる急速充電器を設置してほしいと願うのだった……。というわけで、東京~関西ロングドライブの充電記は、日本EVクラブの公式サイト(http://www.jevc.gr.jp/)でレポートするぞ!
<文と写真/寄本好則(三軒茶屋ファクトリー)>
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