更新日:2013年06月14日 21:26

気仙沼復興商店街で「復興」の現実を実感せよ!【後編】

日本をつなげ!プロジェクト ~電気自動車で全国の「元気!」を突撃レポート~ 第2回:宮城県気仙沼市『南町紫市場』  日産リーフで、東京から気仙沼まで走ってきたレポート第2弾。津波被災地の現状や悩ましい課題を知るために『南町紫市場』はぜひ訪ねるべき旅先なのだ! ⇒【前編】はこちら ◆3.11以前から、さびれつつあった商店街が……  『南町紫市場』には、被災したビルの1階を改造して『cadocco(かどっこ)』と名付けられたフリースペースもある。取材で訪ねた時には、近所の女子高校生がダンスの練習をしていたり、子どもたちの遊び場として開放されていた。当然だけど、高校生も子どもたちもぴちぴち元気。商店街のなかの店の人たちも、笑顔で気さくに取材に応じてくれる。「地方の商店街は苦しいとよく言われるが、南町商店街も3.11以前はもうダメだと言われていた」と坂本さん。津波の被害は深刻だけど、被災から立ち直るために動いたことで、新たな絆や元気が生まれているってことでもある。
子ども

cadoccoで遊んでいたぴちぴちの子どもたち

 ところで、何か買って応援したいとは思っても『南町紫市場』は観光地のおみやげ店ではないから、意外と買うものが見つからなくて困ったりもする。鮮魚店では地方発送もしてくれるし、プロジェクトスタート時から大活躍の下着屋さんが開いた『みなみまち青空市』には「気仙沼REBORN!」というオリジナルデザインのTシャツなどがあるにはあるが、あくまでもこの市場は「地元の商店街」ってことだ。ちなみに、焼肉店や寿司店、とんかつ店などもあるから、観光客的にはグルメスポットとして活用するのもオススメだ。 「イベント広場でいろんな催しを開催したり、身の丈に合った復興を目指す中で、町の人たちの昔ながらのコミュニケーションが復活してきた。でも、今後は被災地を訪ねてくれる観光バスも少なくなるだろうし、市街地の人口は減ってしまったから商店街としてやっていくのはきっと大変になっていくでしょう。箱もの的な発想ではなくて、南町という場所の新たな魅力を作っていかなきゃいけないと思ってます」と坂本さん。復興への応援ムードに頼っていては、本当の復興はままならないということだ。  さらに「このプレハブの商店街は、自治体との最初の取り決めでは2年間限定だった。復興計画がなかなか決まらないから3年間に延長されたけど(それでもあと1年半ほどしかない)、大事なのはその後の町づくりですよね」(坂本さん)というのが現実だ。商店街には笑顔がいっぱいだし、町の人たちがすごく元気に見えるけど、この商店街はあくまで仮設。本当の復興は、まだまだこれから始まっていく。数年後、南町商店街がどんな町に生まれ変わるのか。REBORN!の結果をまた見に行ってみようと思う。 『気仙沼復興商店街 南町紫市場』 住所:宮城県気仙沼市南町1-2-1など TEL(事務局携帯):090-8612-6031 【コラム】電気自動車ってどうなんだ? エンジン車の音と震動を野蛮に感じたりして……  横浜の日産本社で広報車を借りて気仙沼まで往復。1200km以上を走行した。正直いって、やっぱり電気自動車はこんな遠出に使う乗り物じゃない。いくらディーラーに急速充電器が増えつつあるといっても、エンジン車に比べて時間がかかって不便なのだ、なんてことは当たり前。今回、自分で電気自動車ロングドライブを体験した感想は「意外とこれもアリじゃない?」ってことだった。 電気自動車 東北道のSAなどにはまだ急速充電器がないから、いちいち高速を下りて充電しなきゃいけないし、エンジン車では考えられない時間がかかるくらいのことは、あらかじめ覚悟しておけばオリエンテーリングみたいで楽しかったりする。むしろ、とてつもなく時間がかかるのに、目的地に到着した時にエンジン車のような疲れが溜まっていないのが新鮮だった。  東京-仙台くらい、エンジン車ならほぼ休憩なしで走ってしまおうとするだろうけど、電気自動車ではおおむね1時間に一度「充電」という休憩が入る。さらに、音が静かでエンジンのような振動がない。電気自動車ならではの加速のスムーズさも、ぜひ一度体験してみてほしい。音や振動、加速時のエンジンが吹け上がる「ぐおおぉ」っていう感じなど、エンジン車では「ドライバーにいろんなストレスがかかっていたんだ」ということを、今回のEVロングドライブで実感した。広報車を返却して自分のエンジン車(エンジン音が好きで買った愛車)を運転した時「なんて野蛮なクルマだろう」と感じたほどだ。  普段使いで都内を走り回るくらいなら、ほぼ充電の心配はしなくて済む。乗り心地の快適さには「遠出の不便さくらい我慢しよう」と思ってしまった。ま、私は長年のEV信者なのでひいき目満載だけど……。ともあれ、今回の旅の充電記は、日本EVクラブの公式サイト(http://www.jevc.gr.jp/)で要チェック! <文と写真/寄本好則(三軒茶屋ファクトリー)>
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