更新日:2011年04月29日 15:56
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震災被害を[声高にアピールできない業界]の苦悩【その3】

エロ本業界 中小出版社は紙不足に右往左往。 人手不足が屋台骨を揺らす  宮城県石巻と青森県八戸の製紙工場が全壊。両工場はグラビア誌などに用いられるコート紙の4割を供給しており、業界に与える影響は甚大だ。また、印刷インキ工業連合会は、関連プラントでの火災や荷崩れによりインクの安定調達が「非常事態だ」と悲鳴をあげる。  こうした混乱のなか、特に深刻な影響を受けているのが、エロ本業界だ。アダルト誌を多く出版する出版社営業マンに話を聞いた。 「大手出版社による紙の買い占めが起きていますが、業界の総意として定期刊行物はしっかり読者に届ける方向でコンセンサスが得られています。ただし、我々中小版元は定期刊行物に付随する増刊や、別冊としてパチンコ誌やアダルト誌を出しますから、そこに紙が割り当てられないと打撃です」  大手と中小。しかもアダルト……深くて暗い溝があるようだ。  一方、一部では女性の肌の発色を良くする蛍光ピンクが品薄と囁かれていたが、これについては昨今の印刷技術の向上ゆえに影響は少ないとか。  ただ、エロ本出版社にとって一番のネックは意外にも、出荷の際に義務づけられる立ち読み防止の「小口止めシール」だった。 「あれは一冊一冊手作業で貼っているんですが、それを担っていた外国人が母国に帰ったり、パートの主婦が工場に出勤できなくなったりして大幅に作業効率が落ちており、ここが泣きどころです」  不要不急の誹りを免れないエロ業界だが、ここでも多くの人々が必死に生計を立てているのである。
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立ち読み防止のブルーのシールを貼るコストは一冊20円ほど。出版社が負担する


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