初めての喪主。まずやるべきこととは?
どんなにノンキに生きていても、30~40代ともなれば葬式に出る機会も増えてくる。親だっていつまでも元気とは限らない。もしかしたら明日、いきなり喪主を務めるハメになるかもしれない。そんないざというときのために知っておきたい、葬式のための知識とは?
「まずはご遺体をどこに安置するか決めていただくこと。実は最初にもめるところなんです」と創業80年の佐藤葬祭代表取締役・佐藤信顕氏。子供が別所帯で、両親のどちらかが突然の入院&急死をした場合、家の中が片付いていないことも多いという。「すると『一時的にどこかに安置してもらおう』『なぜ家に帰してやらないのか』などと、兄弟姉妹で意見が食い違うことも。安置場所が決まらないと、お通夜や葬儀の話を進めることは、ご遺族の気持ち的に難しい」。
続いては、亡くなったことを知らせる作業。葬儀ライター・奥山晶子氏によると「親族への連絡はリストにしておかないと、手分けしたときにどこまで知らせたかを把握するのが大変。友人や知人など知らせる範囲や優先順位もよく考えて。葬儀の基本は規模です。人数の見極めをしておかないと、会場や料理の数などすべてが崩壊してしまいます」というから重要だ。同時に葬儀社の手配と、菩提寺がある場合は寺にも連絡。「『ホダイジって何?』と思うような人は要注意です。実家のお寺さんの名前と宗派くらいは控えておきましょう」(奥山氏)。
忘れてならないのが、役所への死亡届の提出だ。これを出さないと火葬埋葬の許可証がもらえない。ちなみに提出や火葬場の予約は葬儀社で代行可能。死亡届は亡くなった病院でもらい、故人と届け人の氏名などを記入するのだが、「注意したいのは、記入項目には両名の本籍地もあるので、不確かな場合は事前に確認しておくこと」(佐藤氏)。
遺影についても注意が必要。佐藤氏いわく、「選んだ写真をどこに置いたかわからなくなることはよく起こります。必ずご遺族で置き場所を決めておいてください」。
銀行口座や保険、年金などのお金関係も大変だ。「親がどの銀行に口座を作っていて何の保険に入っているかなんて知りませんよね。保険関係は証書のありかを聞いておきましょう」(奥山氏)。それさえ把握しておけば「あとは担当者に聞いてしまうのが一番簡単」(佐藤氏)。
ただし、銀行口座は名義人の死亡が判明すると凍結される。
「逆にいえば、死亡がわからなければ銀行は止めません。なぜわかるかというと、遺族が『父が亡くなったので、お金をおろさせてください』と言ってしまうことが多い。葬儀費用のためなのでしょうが、とりあえずは遺族の誰かが立て替えておいて、遺産分配協議の際にその分を返してもらうようにすればいいと思います」(佐藤氏)
このほかにも失敗しない葬儀社選びのコツ、喪主って何をすればいい?など週刊SPA!8/20発売号では、「30~40代のための[葬式&お墓]新常識」を特集している。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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