更新日:2015年08月27日 20:29
ニュース

日本の「真の独立」を安倍首相は目指してない【デヴィ夫人×木村三浩氏が大激論】Vol.3

ヘイトスピーチ・デモが社会問題化し、空前の「嫌中」「嫌韓」ブームが訪れるなか、そんな空気を裏付けるかのように起きた浦和レッズの垂れ幕騒動……。安倍政権になって以降、海外メディアからは、さかんに日本の「右傾化」を案じる声も上がっているが、果たして真相は? 炎上上等!でメディアを賑わす保守の武闘派論客・デヴィ夫人と猪瀬前都知事5000万円授受渦中の新右翼「一水会」代表・木村三浩氏が大激論! ⇒【Vol.2】『日本のメディアは自国の恥を晒している』
https://nikkan-spa.jp/617479
◆日本の「真の独立」を安倍首相は目指してない  デヴィ夫人が注目を集めたのが、先の都知事選だ。夫人が「田母神ガールズ」として応援に奔走した元航空幕僚長・田母神俊雄候補は、当初の予想を大きく上回る61万票(全投票数の12%)を獲得。善戦の原動力となったのは、20~30代の比較的若い支持層とされたが、これに対し、一部のメディアでは「若者の右傾化が、一層顕著になっている」などと分析している。  振り返れば、第2次安倍内閣発足時から、NYタイムズをはじめとする欧米メディアが、さかんに安倍首相を「歴史修正主義」「ウルトラ・ライト」などと批判している。「田母神61万票」の根底には、欧米メディアが言うような日本の右傾化があるのだろうか。
デヴィ・スカルノ夫人

デヴィ・スカルノ夫人

デヴィ夫人(以後、夫人):都知事選のときは、日本は変わらなければならない。それができるのは田母神さんだけ……という思いで戦っていました。実際に街頭に出て特に感じたのは、若者の熱心な支持。あと1週間、選挙期間があれば絶対に勝っていました。日本の若者も捨てたものじゃないですね。右傾化なんて、とんでもない! 若者が目を覚ましたように、ようやく日本がまともな状態に戻りつつあるだけ。仮に右傾化だとして、何が悪いんですか! そもそも、海外メディアの言う「日本の右傾化」自体、中韓によるプロパガンダ活動に乗せられたもの。4年連続で国防費が10%超の伸びと、大軍拡を続ける中国に比べて、日本の防衛費は11年ぶりに増額したとはいえ、たったの0.8%増に過ぎません。どちらが軍国主義の国か言うまでもないでしょ。 木村:これまでの日本は、確かに左巻き過ぎていた。田母神さんの「61万票」は、参院選なら当選圏内。夫人がおっしゃるように、国の危機が迫りつつある現状を、若者を中心とした国民が気づいたと言うべきでしょう。右翼の歴史観では、昔から、亡国の危機に直面して、初めて国士が現れるものなんです。 夫人:そういう人材が今の政治家には全然見当たらないから、中韓の反日批判が繰り返される……。ホント、腰抜け、腑抜けの政治家ばかりでイヤになっちゃうわ。安倍政権は河野談話を検証するけれど、見直しはしないと言います。私の知る限り、慰安婦にはプロの女性や、自ら志願した女性も少なくないし、韓国の元慰安婦の聞き取り調査は、裏付けさえ取っていなかった。つまり、韓国の望み通りにできたのがあの“許容・陳謝談話”なのです。河野談話は絶対に直されなきゃいけない。見直さないなら、検証する意味などありませんよ。安倍首相は日米韓首脳会談の前に、またもやアメリカに屈してしまったということです。 木村:そもそも慰安婦問題は、’65年の日韓基本条約で完全に解決済みです。それを韓国は、事あるごとに政治的カードとして使ってきますからね。やはりフェアじゃないですよ。現在では、米カリフォルニア州グランデール市に慰安婦像まで建てられ、気づけば日本はすっかり悪者です。 夫人:韓国大使館の前でデモをするなり、外交ルートで圧力をかけるなり、すぐに抗議すべきなのに、日本人は本当に昔から“お人好し”というか……。竹島にしても、’52年に韓国が国際法を無視して、勝手に「李承晩ライン」を引き、その内側に竹島を取り込んだわけです。不法占拠は明白なのに、なぜそのときに猛烈な抗議をしたり、国際社会に訴えなかったのか……慰安婦や竹島のことは、外務省のHPに載っていますが、いったい誰が読むの。外交や情報発信が、ホント、下手なのよねぇ。先日の日米韓首脳会談では、安倍首相は遠路はるばるオランダのハーグまで出向きましたが、そんな必要などなかった。当初、4月に予定されていたオバマ大統領の訪日も、朴槿恵大統領が「それなら、韓国にも来て!」と言いだして、今回の三首脳会談に繋がったのです。のこのこと出掛けて、また妥協を強いられるのは明らか。案の定、安倍首相は日本人のお人好しぶりを発揮して、韓国語で挨拶したけど、朴大統領は完全に無視……そういう国ですから、中韓に対してはこれ以上難癖をつけるなら戦争も辞さない! くらいの気構えで接するべきだわ。“絶交”してもいい! そういう気合が足りないんですよ。 木村:今回の三首脳会談にしても、アメリカの顔色を窺う日本の対米従属ぶりが、また繰り返されました……。日本は本当の独立国なのかと情けなくなりますが、そんな対米関係を強化する集団的自衛権の解釈変更が取り沙汰されてます。 夫人:日本の国土と国民の生命・財産を守るためなら大賛成ですが、私は疑いの目で見ています。というのも、アメリカは借金塗れで、もう軍備を増やせない。その肩代わりをお人好しの日本にさせようという魂胆が丸見え。そんなアメリカが始めた戦争に、無理やり加担させられたら、日本人の多くが討ち死にしなければならなくなる……。安倍首相が集団的自衛権の解釈変更に前向きなのは、日本がアメリカの属国という立場から抜け出せていないからです。 木村:安倍首相は、先の防衛大学校の卒業式で「公海上で米軍のイージス艦が攻撃を受けた場合、日本は何もできなくていいのか?」と言いましたが、やはり彼が目指しているのは、本当の意味での「独立国・日本」ではないらしい。かつてフランスのド・ゴール大統領は、冷戦下、外交では中立路線を採りながら、超大国の米ソからフランスを守った。彼のように、アメリカに「NO!」と言える日本を目指してほしい。 ⇒【Vol.4】『“お人好し”の日本が取るべき外交戦略とは?』に続く https://nikkan-spa.jp/617481 【デヴィ・スカルノ夫人】 インドネシアのスカルノ初代大統領夫人。亡命したパリで社交界デビューし、“東洋の真珠”と謳われる。国連環境計画特別顧問など、世界規模で多くの慈善活動を展開 【木村三浩氏】 新右翼民族派団体「一水会」代表。反米・民族自決を掲げ、精力的に活動し、世界の右翼政党、愛国者との親交も厚い。近著に『お手軽愛国主義を斬る』(彩流社) ― 日本は「右傾化」などしていない!【3】 ―
お手軽愛国主義を斬る

新右翼の論理と行動

おすすめ記事