「消費増税の反動は軽微」のウソ
消費増税によって景気が良くなることなんてあるわけないと増税反対の立場を貫いてきたぐっちーさん。実際、増税後は良くない数字が続々と出てきているという。大手メディアが伝えない真実を、いま一度明らかにする。
◆今こそ庶民が立ち上がるときなのです(現役金融マン ぐっちーさん)
消費税増税後の駆け込み需要の反動による消費の減速はそれほど大したことがない、と経団連会長や大企業の社長たちのコメントがメディアに流れています。しかし、私の周りの中小企業の方々の様子から、反対の状況を心配していたのですが、これがやはり!という数字が続々と出てきました。
大手御用新聞、メディアは安倍政権にすり寄るため、その種の数字の取り扱いが小さいのですが、実は重要な変化を示しています。
まず、ショッキングだったのは先日発表された5月の消費支出。前年同月比、マイナス8%というのは予想をはるかに超え、もちろん’97年の消費税増税時よりも大きな落ち込みです。
さらに数字を見ると、2人以上の家計平均で1世帯当たり27万1411円と、実は’11年3月の29万1900円を大きく下回るという惨状。思い出してください。’11年3月と言えばあの震災の月で、当時東京のコンビニですら商品がスカスカになりました。消費したくてもできない状況だったあのときを2万円も下回ったというのはただ事ではありません。
呆れたのはこれを受けた麻生財務相のコメントで、「想定内の落ち込みだ」と発言しているのですから、驚きです。おそらく記者会見で想定していない質問だったので、財務官僚から入れ知恵をされていなかったのでしょうが、だからこそ、これが今の自民党政権当事者たちの本音とも言えるでしょう。要するに庶民のこと、下々のことには興味がないということです。
さらにその後に発表された日銀短観を見ると景気は完全にピークアウトした感があり、中小企業に至っては半年先の見通しが、製造業マイナス6、非製造業マイナス4といずれもマイナスとなっていて、最も景況感が良いと思われる大企業製造業でさえ、先行き見通しは8と12月時の14を大幅に下回っており、これは調査期間が2月だということを考慮すると、中小企業はもちろんですが、大企業の経営者でさえ、4月以降の消費税による消費の減速がかなりあると予想していたのが実態なのです。
⇒【表】「日銀短観で発表された業況判断DI」はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=683698
⇒【後編】『アベノミクスの恩恵は「公共事業3羽ガラス」のみ』に続く
https://nikkan-spa.jp/682183 【選者】現役金融マン ぐっちーさん ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://sweetpoolside.jp/)を主宰している
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