IT戦士・岡田有花「愚痴は一人で書き綴っていても寂しい」
恋愛の悩みや仕事の愚痴など、知り合いに見られると困るものの、つぶやきたくなるホンネは誰しもあるもの。気になって周囲の人間を調査してみると、結構な数の人間がホンネを書き込むための「裏アカ」を持っていることが判明。男性よりも、女性のほうが「裏アカ」を利用している率が高いのも特徴的だった。
何故、裏アカウントを作ってまで、自分のホンネをワールドワイドウェブに垂れ流す女性がいるのだろうか。かつては自らも匿名アカウントを持っていたという岡田有花氏に聞いた。
「やっぱり愚痴は自分一人で書き綴っていても寂しいものです。私もオタク女子だから、ネットに愚痴を垂れ流したくなる女子の気持ちがよくわかる。それに加えて、基本的に男性より女性のほうが断然おしゃべり好き。男性はひとりで長時間黙っていられるけど、女性は話してないと落ち着かないでしょう(笑)。女性にとって裏アカウントでホンネをさらけ出すのは、別に『ネット=全世界に発信』という大それたイメージではなく、『ネット=誰かに聞いてほしい』というもっとパーソナルな捉え方なんじゃないでしょうかね」
だが、その“誰か”が知り合いだと、言いにくい話題も多かろう。だから、人間関係に差し障りのないネット相手にホンネを流すのでは、と岡田氏は指摘する。
「ネット相手なら人間関係のしがらみもないから気を使う必要はないし、否定的な意見は無視すればいい。ときには、不特定多数の誰かが自分のホンネに同意やアドバイスをくれることもありますしね。それって実は、話を聞いてくれて、ときにはアドバイスをしてくれる占いと一緒。女性は占い好きで、かつ『いい占いだけ信じる』という人も多い。裏アカウントでホンネをつぶやくことは、実は女性にとって『占いを求める感覚』に近いと言えるかもしれません」
【岡田有花氏】
元アイティメディアの有名IT記者。現在はロケットスタートに転職し、暮らしのレシピサイト「nanapi」編集に携わる
取材・文/青山由佳 加藤カジカ 藤村はるな アンケート協力/メディアパーク
― (裏)アカウントで女のホンネが大暴走【16】 ―
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