更新日:2020年09月11日 16:13
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ユニクロで「買うべき春物・夏物」ベスト5

 メンズファッションバイヤー&ファッションブロガーのMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログやメルマガで「オシャレのルール」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第25回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理屈があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 前回『ユニクロで「買ってはいけない春物・夏物」ワースト5』という記事を掲載したところ、とても大きな反響をいただきました。ユニクロといえば、「安かろう悪かろう」というイメージを持っている方も多いと思うのでうすが、実は、良品もたくさんあります。そもそもユニクロは、H&MやZARAなどのファストファッションブランドと異なり、「長く愛される物をつくる」ことが製品開発のコンセプト。「フリース」や「スキニーデニム」など長期間の使用にも耐える品質、誰でも着まわしやすい形、そしてトレンドに左右されない不変的な物づくりが特徴です。そういった製品は、アパレル業界にいる目の肥えた人たちにも愛用されています。  しかし、良質な製品がある一方、「これはちょっと……」という製品が多くあるのも事実。ユニクロのアイテム選びにはコツが必要なのです。今回はユニクロの「掘り出し物」のなかでもとくに良品な5アイテムを紹介したいと思います。 ▼ベスト5位 ベリーショートソックス 330円(+税)  筆者の記事「大人の短パンはなぜダサく見えるのか? 正解は石田純一スタイルにあり!?」でも紹介したのですが、夏の短パンスタイルには必須とも言える「見えないソックス」。短パンスタイルは、靴からソックスがわずかでも見えてしまうと、急激に足が短く見え「とっちゃん坊や」感が増します。それを防ぐ強い味方が「ベリーショートソックス」なのです。記事を読めばわかるとおり、短パンとこのベリーショートソックスによる足長効果は高く、大人の短パンスタイルには欠かせません。この「見えないソックス」は、セレクトショップなどで探すと1000円台と意外と高価なのですが、ユニクロはなんと330円(+税)と過激な安さ。しかも、「安かろう悪かろう」ではなく、きちんと「ズレて脱げ落ちることを防止する“すべり止め”」もついていて、そのクオリティの高さは折り紙付きです。短パンスタイルを愛するアパレル業界人からの支持も厚く、全身デザイナーズブランドでも「ソックスだけはユニクロ」なんて人もいるほど。コストパフォーマンス的にも抜群にオススメです。 ▼ベスト4位 スキニーフィットテーパードジーンズ 3990円(+税)  異常なハイクオリティを誇るユニクロ究極の定番アイテム「スキニーデニム」。現在、筆者は熟練のデザイナーと組んで自身のプライベートブランド「MB」にて「究極のスキニーデニム」を製作しているのですが、幾多のブランドを見てきたデザイナーでさえユニクロスキニーについては、「よくこんな値段でこれほどクオリティの高いものが出せるね……」と脱帽。細身シルエットはもちろんキレイなのですが、万人が合わせやすいように股上を若干深めに調整してあったり、お腹の出ている中年体型でもなんとか着用できるようにバランスを整えてあります。素材もほかブランドの一般的なデニム素材と比較して、黒をより「真っ黒」に見せるように一工夫が加えられ、そのためウール素材の黒のようなツヤ感と深い黒色が特徴的で、「大人がはけるスラックスのようなデニム」に仕上がっています。これが3990円(+税)なのだから驚くしかありません。ユニクロの定番にして傑作。全人類必携のデニムといっていいでしょう。 ▼ベスト3位 チノハーフパンツ(柄) 2290円(+税) ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=854144 チノハーフパンツ(柄)「え? ユニクロで柄モノは危険なんじゃないの?」と思うかもしれません。確かに、前回の記事でもその旨は指摘しています。ユニクロの柄モノは基本NGアイテムが多いのは事実です。妙に色数の多い柄を使っていたり、ハデで目立つものだったりするので、「ユニクロ着ているな」と“ユニバレ”することもあります。柄モノは色数が多ければ多いほど安っぽく見えます。これはほかのアイテムにも言えるのですが、1色より2色、2色より3色と多色使いであるほどチープに見え、とくに「総柄」で多色使いは危険。雑誌などでは「この夏は花柄の短パンが流行」なんて書いてありますが、30代男性が多色使いの花柄短パンをはこうものなら、「新婚旅行のハワイ帰り」になってしまいます。ハデでチープに見える総柄短パンはとにかくコーディネートが難しい。しかし、この「チノハーフパンツ」は本来明るいイメージの花柄をダークなカラーに落とし込み、さりげない雰囲気に見せています。これなら30代以上の男性でも抵抗なくはけるはず。また形が秀逸で、細すぎず太すぎずの裾幅でスポーツ体型でもはけるサイズ感。写真のように裾をロールアップして足の面積を長く見せてあげれば「足長効果」もバッチリです。合わせるアイテムは「Tシャツ」ではカジュアルすぎるので、後述のリネンシャツを組み合わせるのがオススメです。全身ユニクロでも「メンズクラブなどの雑誌で見たような“休日オジ様スタイル”」に早変わり。「短パンなんてはけねーよ」なんて思っている中年以上の男性にこそオススメしたいアイテムです。マジでかなりオシャレに見えますよ。 ▼ベスト2位 プレミアムリネンシャツ(長袖) 2990円(+税)  ユニクロが2015年春夏シーズン、強烈にプッシュしている「プレミアムリネンシリーズ」。高級素材であるフレンチリネンを100%使った贅沢なアイテムです。ユニクロでは「冬のカシミヤ」に続き「夏のフレンチリネン」と、恒例の価格破壊が進行中で、ほかの洋服屋に見せると「商売あがったりだよ!」とさじを投げそうなほどの高いクオリティに仕上がっています。絶対に2990円(+税)には見えません。形は少し着丈が長めなのですが、短パンと合わせるとこれがベストバランス。というのも、短パンで着丈の短いシャツを合わせると足がやたらと短く見えます。これには理由があって、短い着丈では「腰の位置」が丸わかりになってしまうからです。ただでさえ足が短く見えるショーツで着丈の短いシャツを合わせると「とっちゃん坊や」感が出てしまうのです。しかしこのリネンシャツはちょうど腰の位置が隠れて足長に見せることができます。短パンをはいたときの体型隠しには抜群にオススメ。前述のチノハーフパンツと組み合わせて使うといいでしょう。 ▼ベスト1位 スーピマコットンフライスクルーネックT(2枚組・半袖) 990円(+税) ベスト1位 ユニクロ渾身の隠れた逸品。希少性の高いコットンとして知られる「スーピマ素材」を価格破壊したこのアイテム、ユニクロ的には「インナーウェア」としてリリースしていますが、これを一枚で着用するのがオススメ。巷でも中毒者が急増しているアイテムです。スーピマの特性は、なんと言っても滑らかな肌触りと品の良い風合いにあります。パッと見ても2枚で990円(+税)なんて激安Tシャツには絶対見えませんし、カットソー1枚5000円以上がザラであるデザイナーズブランド顔負けのクオリティです。素材もポイント高いのですが、形もよくよく考えられています。そで丈が通常のTシャツよりも短めかつ細身になっているのです。これは腕周りを男らしくスッキリと見せる効果があります。そもそも「袖」は、太ければ太いほど、腕を細くみせます。逆に「袖」がフィットするほど細いと、筋骨隆々とした腕に見せてくれます。この視覚効果は、女子高生がボリュームのあるルーズソックスをはいて、ボリュームの差で足を細く見せるのと一緒です。腕を太く見せたいときは細い「袖」、腕を細く見せたいときは太い「袖」を選ぶといいのです。このスーピマカットソーは腕周りにフィットする細い「袖」なので、夏に向けた筋トレをサボっても、このカットソーでなんとかごまかせるという寸法なのです。  いかがでしたでしょうか。ユニクロベスト5。実はこれ以外にも買うべきユニクロ製品はいくつかあります。2014年まぐまぐ大賞を受賞した筆者が発行するメルマガ「最も早くオシャレになる方法」ではユニクロや無印良品のマストバイアイテムを定期的に紹介しています。興味があればそちらもぜひご購読ください。 <文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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