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「ロールアップ」するとなぜオシャレに見えるのか?

メンズファッションのバイヤーMB

メンズファッションのバイヤーMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理屈があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 メンズファッションバイヤー&ファッションブロガーのMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログやメルマガで「オシャレのルール」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第23回目をよろしくお願いします。  ファッション業界は基本不親切です。専門用語は解説しないし、そもそも「流行の着こなし」は紹介しても、「なぜ、その着こなしがオシャレに見えるのか?」という理屈は語りません。お客さまにわかりやすくメリットを提案すべきである店員ですら、「このメルトンコート、オシャレっすよねー」と呪文のような言葉を唱える始末。「FFかよ!」と心の中で突っ込んだことのある人も少なくないでしょう。今日はそんな「誰も教えてくれないファッションの疑問」についていくつか回答します。 ▼着こなしの疑問(1)「ロールアップってなんでするの?」  最近、裾を折り曲げる着こなし「ロールアップ」が流行っています。田舎出身の私からすると、泥はねを気にしている隣のオジサンの姿が脳裏にチラつくのですが、今ではれっきとしたオシャレな着こなし。老若男女、テイスト問わず実に多くのオシャレな方が実践しています。「なんとなくカッコよく見えるから」「皆がやっているから」、そんなふうに感覚的にやっている人も多いと思いますが、なぜロールアップがオシャレに見えるのか、その理屈を知っている人は少ないのではないでしょうか? 「カッコよく見える着こなし」にはちゃんとした理屈があります。  洋服の印象を決めるのは「先端」です。手首、足首、首の「3首」とも言います。「先端」には自然と視線が集まるため、印象が決定づけられます。例えば流行りのアイテム「テーパードパンツ」もこれを利用しています。テーパードとは「先に向かって細く」という意味。ウエストまわりやモモまわりはゆったりした形なのですが、裾がキュッと細くなっているのがテーパードパンツの特徴です。ゆったりとしているぶん、はき心地もよく、しかし、先端はちゃんと細いため、太いパンツにありがちな「ルーズ」「野暮ったい」印象がなくスッキリ見えるという仕組みです。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=846288 ロールアップ1
ロールアップ2

同じパンツもロールアップして裾のシワをなくすことで全体も細身に見えます

 同様に、裾にクシャクシャとシワが入っていると、どんなに細身のパンツでも「ルーズ」「野暮ったい」印象になってしまいます。そこで、ロールアップして裾をまくることで、シワなくスッキリとした裾まわりができあがるのです。そうすると写真のように例え太めのパンツであっても、スッキリとキレイに見せることができるのです。ちなみに、2枚目の写真ではシャツの袖もまくり、「手首」を見せることでより、スッキリとさせています。「カッコよく見える」にはきちんと理屈があるのです。 ▼着こなしの疑問(2)「スーツで着るシャツは普段着ちゃダメなの?」  スーツで使うシャツは基本的に「Vゾーン」を重視して選びます。普段は、MサイズやLサイズといった全体の採寸で選びますが、スーツ用のシャツは「首回りの長さ」などで選ぶことが多いです。「洋服の青山」などでもシ首回りのサイズを測ってもらったりしますよね。これは首回りのサイズがあってないと、ネクタイを締めたときにシワが出るからです。ですから、首回りのサイズは慎重に選びます。逆に言えば、スーツ用のシャツで重視されるのは「首回り」くらい。着丈はパンツに入れてしまうので、無駄に長いものが多いほど。また袖丈は腕を曲げたときにジャケットの袖からチラ見えするのがキレイなサイズ感とされていて、カジュアル服よりも少し長めのものが多いです。スーツ用のシャツを普段着で使うと、妙に着丈が長かったり、袖丈が長かったり、サイズに違和感を覚えるはそのせいです。最近は「カジュアルでもビジネスでも使える」ようにバランスよくつくっているシャツもありますが、そうでない限り併用はオススメしません。パッと見て「サイズが合ってないな~。スーツ用のシャツかな」とわかってしまうからです。 ▼用語の疑問(3)「カットソーって何? Tシャツ?」 「カットソーとTシャツの違い」もよく質問されます。そもそもカットソーとは「Cut(切る)+Sewn(縫う)」。大きな布を裁断して、体の形に縫い合わせてつくる衣服のことです。「じゃあTシャツもカットソーじゃないか?」と思うかもしれませんが、そのとおり。Tシャツもカットソーの一種であり、呼び名が違うだけです。しかしそうするとシャツも「切って縫う」から「カットソー」になるし、コートだって「切って縫う」ものが多いから「カットソー」です。はっきりと違うものといえば「ニット」くらい。ニットは「切って縫う」工程はなく、「編んで」つくります。  もともと、洋服は誰もが使用するもであり、ほかのどの分野よりも多様性があります。また新しい洋服や新しい素材が次から次へと出てくるため、名称や定義付けなどが曖昧になることが多いのです。レディースブランドでは「ニット風カットソー」で「ニットソー」なんてわけのわからないアイテムもあったり。これは「気にしたら負け」なレベルです(笑)。 ……なので知った顔で「このカットソーかっこいいですよ」と言っているあの店員も実は定義なんて曖昧なままです。あえて言えば「プリントしている半袖はTシャツ」「ふかふかしているウール素材はニット」「それ以外の襟のないインナー服はカットソー」そんな認識でも大して問題はありません。わかりにくいファッション用語。呪文みたいな言葉もまだまだ山ほどあります。「シャンブレー?」「リネン?」「チェスターコートって?」「トラウザーって食べられるの?」……枚挙に暇がありません。店員やファッション雑誌ももうちょっと噛み砕いて説明してくれるとよいのですが。  私が運営するメルマガ「最も早くオシャレになる方法」では、着こなしの理屈やわかりにくい用語などを解説する「ファッション基礎講座」なども行っています。これらの記事やサイト「KnowerMag」を見て気になった方はぜひご登録ください。 <文/MB>
MB
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