麒麟・田村が語る「ダンボールより不味かった物」
「あのとき食べたアレ、うまかったなー」「あの店、ゲロマズだったよ」なんて話は盛り上がるもの。てなわけで、いろんな人に[人生最高/最悪のメシ]を聞いてみた。子供時代の思い出の味から異国で食べた謎の料理まで、究極のメシ話をご賞味あれ!
<「麒麟」の田村裕さんの場合>
◆草とダンボールの間に食べ物のボーダーラインがありましたね
『ホームレス中学生』にも書きましたけど、最悪のメシは公園の草。草を引きちぎったときに手に付く青臭いニオイそのままの味がして、ひたすら苦い。草も野菜も同じ植物やからと思ったんですけど、野菜がプロなら草はアマですね。
公園のダンボールもキツかった。草は一応飲み込めたんやけど、ダンボールは臭いしマズいし、すぐに吐き出しました。草とダンボールの間に、食べ物のボーダーラインがあったんやって知りました。
ただ、テレビ番組でダンボールをもう一度食べる企画があったんですけど……まあ、多少イケたんですよ。公園のは雨でずぶ濡れになったのが乾いたやつでしたけど、番組で食べたのは新品やったんで(笑)。ダンボールも新鮮さが命やったんですね、ええ。
あとは芸人やから仕事で芋虫を食べたことがあって、未経験の強烈な苦みが口の中に充満。草がいくらマズい言うても、同じ葉っぱ系の野菜を食べ慣れてたから、マズさも想像できる範囲内でしょ。けど、虫は予想外の苦みを出してきよりますからね。別の仕事でタランチュラを食べたときは3週間舌が痺れっぱなしでしたし。
◆友達の家で食べたご飯と味噌汁の味は……
最高にうまかったのは、公園生活当時に友達の家でごちそうになったご飯と煮魚と味噌汁。普通の家庭料理やったけど、公園生活が1か月弱続いてたんで振り幅がハンパなかった。草やダンボールからの大ジャンプでしたからね。
米はケーキみたいに甘く感じたし、味噌汁はダシが効いてるし温かいし。そもそも“熱”から遠ざかってましたから、たぶんただのお湯を飲んでもうまいと感じたと思うんです。そんな状態での味噌汁ですから、エグいうまさでした。あの日の夕飯を超えるメシは、今後も一生出てこないでしょうね。
【田村 裕さん】
お笑いコンビ「麒麟」として活躍のほか、自伝『ホームレス中学生』が大ヒット。参加したDVD『YOSHIMOTO WONDER CAMP TOKYO』が発売中
― 我が人生[最高/最悪のメシ]告白集【6】 -
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