更新日:2020年09月11日 16:35
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秋のユニクロはこれを買うべき!エルメスのディレクターを務めた巨匠・ルメールとのコラボを徹底解説

メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第40回目をよろしくお願いします。  ユニクロが世界的なデザイナー「ジルサンダー」とコラボした「+J」ラインを覚えているでしょうか? 2009年10月に「ジルサンダー」とコラボレーションし、ファッション関係者が騒然としました。なにせ普段3万円出さなければ買えないジルサンダーデザインのシャツが3000~4000円程度で買えてしまうのですから、ちょっとした事件です。私も数枚まとめ買いしました。「それどこのシャツ?」と聞かれて「ユニクロ」と答えると、皆一様に目を丸くしたものです。洋服に詳しくない人が着てもパッと見で「カッコよく見える」最高のコレクションでした。発売日には行列ができ、即日完売の品番もあったほど。ユニクロで即日完売って考えられますか? おかげでヤフオクでは値上がりが起き、転売屋さんは随分と捗ったそうです。
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http://www.uniqlo.com/uniqloandlemaire/jp/

 そして10月2日、そんな「+J」を超えるデザイナーコラボがはじまります。その相手はジルサンダーを超える巨匠、ファッションブランドの頂点に君臨するエルメスのディレクターを務めたクリストフ・ルメールです。アパレル業界が「そんなの商売あがったりだよ! ふざけんな!」と泣いて怒りだすほどに高品質・ハイデザイン・低価格を極めたアイテムが発売されるのです! ▼なぜユニクロと超一流デザイナーがコラボするのか? 「超一流とも言えるデザイナーがなんでユニクロと? プライドないの!?」と思うかもしれません。とはいえ、ユニクロのコラボレーションはカネにモノを言わせてのべつ幕なしで行っているわけではありません。ジルサンダーもルメールも「ミニマル(最低限のデザインで美しく見せる)」が信条のデザイナー。ユニクロはH&MやZARAなど多くのファストファッションブランドとは異なり「ベーシックで高品質」な洋服づくりを信条にしています。製品企画に何年もかけて、ロングスパンで長期間売り続ける戦略を得意としていて、事実フリースなどユニクロを代表するアイテムは発売から何年経っても大きな売り上げをマークしています。 「デザイナーブランド」「トップデザイナー」と聞くと、ついつい奇抜なデザインや流行を踏襲した業界人や玄人好みの洋服を連想しがちですが、ジルサンダーやルメールはそうではありません。ミニマルなデザインを心がけシンプルに、かつシルエットのごく細部までこだわった服づくり。ジルサンダーの「+J」も「普通のシャツなのに別人のような美しい印象」になる服でした。かといって過度にエリが大きかったり、デザインが入ったり、素材が特殊だったりすることもない。「普通だけど強烈に美しい服」をつくるデザイナーがルメールやジルサンダーなのです。  ここにまさにユニクロとの融合点があります。ファストファッションとハイファッション、対局に位置しながらも、高品質でベーシックなモノづくりを信条としている点は同じ。ルメールがお金に困っているとも思えません。クリエーションに対する考え方に一致を見たからこそのコラボレーションなのでしょう。ファストファッションとハイファッション、単なる外面的な組み合わせだけ見ると「なぜ?」と首を傾げてしまいますが、その実これは必然とも言える組み合わせなのです。
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http://www.uniqlo.com/uniqloandlemaire/jp/

 ともあれ私たち消費者からすると「ユニクロの洗練された生産背景による“低価格”」と「ルメールの洗練された“ハイデザイン”」が融合したある種「完璧な洋服」です。これがルメールじゃなく一般的な「デザインバリバリのブランド」であれば見向きしませんが、ルメールならば全男性が買うべきラインナップになるでしょう。業界関係者も悔しいながらもこぞって注目しているのが本コレクションなのです。 ▼ユニクロ・ルメールのマストバイ3選  発売1か月前に差し掛かり、いよいよメンズのコレクションラインナップが発表されました。その中でマストバイになるであろう3アイテムを紹介しましょう。 ●ウールカシミヤジャケット 14900円(+税) ⇒【画像】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=927154
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http://www.fashionsnap.com/collection/uniqlo-and-lemaire/man/2015-16aw/gallery/index19.php

 ジャケットはまずおさえておいてまちがいないでしょう。腰にはしっかりシェイプを入れて細くスッキリとした印象。袖丈と着丈のバランスを見ると着丈はやや短め。デニムと合わせても「スーツのジャケットを休日に着ている」といった印象にはならないでしょう。ブルゾンに近いようなシルエットに見え、秋口のメインアイテムになりそうな美しい形のジャケットです。後述するパンツを組み合わせたセットアップスタイルも捨てがたいものになりそうです。 ●レギュラーカラーシャツ(長袖) 3990円(+税) ⇒【画像】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=927159
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http://www.fashionsnap.com/collection/uniqlo-and-lemaire/man/2015-16aw/gallery/index45.php

 名作になりそうな予感がプンプンするシャツ。かつての「+J」でもシャツが大好評でしたが、今回は前立て部分を比翼仕立てにすることでボタンを隠した、際立ってシンプルなデザインを追求している模様。小さめのエリや細めのカフスなどデザインをとにかく徹底してシンプルで主張ないように整えていることがわかります。白がマストバイですが、ミリタリーライクなこのオリーブカラーは黒パンツと大変相性良い色。白と合わせて手に入れておきたい。誰もが手を出しやすいアイテムだけに、こちらはおそらく転売屋さんも狙うでしょう。 ●ウールカシミヤイージーパンツ 7990円(+税) ⇒【画像】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=927160
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http://www.fashion-press.net/news/gallery/15672/319979

 上述のジャケットとセットアップでも使えそうなアイテムですが、単品での使用もオススメできそう。裾に向かって細くなったテーパードシルエットと、注目すべきはウエストまわりの「タック」。片側2本にタック(つまんだ仕様)が入っており、ウエストまわりはゆったりとさせています。スラックスをカジュアルで使うのはカッチリしすぎて窮屈……という人もこれなら大丈夫。ウエストまわりはゆったりしていながらも裾が細くなっている形のため、はき心地も見た目の美しさも担保できます。少し値段はしますが、カシミア混ならツヤ感も十分期待できる。3~4年の愛用を狙って投資してもいいと思います。  ほかにも沢山狙い目はありますが、さらに詳細解説は毎週配信のメールマガジンなどでも行う予定です。気になるい方はそちらもぜひチェックしてみてください。また、ユニクロや無印良品などの着こなし方などは現在、予約中の新刊『最速でおしゃれに見せる方法』でご確認を。誰でも簡単に「おしゃれに見せる」方法を提案しています。 〈文/MB〉
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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