親北韓国は孤立化の道に進むのか?

G20での文大統領

 G20が大阪で開催されるが、現時点では日韓首脳会談は行われない方向だという。懸案である徴用工問題に関しては、韓国政府が和解案を出してきた。  内容は、日韓両国の企業が資金を出して原告に支払うというものだが、当然ながら、日本は拒否した。  もちろん、和解案は日本にとっては到底受け入れられるものではない。しかし、例えば毎日新聞の見出しだけをみると、いかにも韓国の誠実な提案があったように見える。  見出しは「韓国が和解案。条件付きで2国間協議」で「日本は拒否」とある。また社説では「対話なしに解決しない」と述べる。  見出しだけを見ると、それに拒否する日本のほうが「誠実ではない」ように見えてしまう。  徴用工以外でも文在寅大統領は、日本8県の水産物禁輸をWTOが継続を認めた件で、担当者を昼食会に招き「誇らしい」と伝えて喜びを伝えている。  また、テレビ番組で青森県を訪れた俳優が刺し身を食べるシーンに対して、ネットで「輸入を禁じているのにおかしい」と批判が高まり、テレビ局が謝罪するという事態までになった。  これは、韓国では原発事故に絡み海産物が危険だとの報道を続けているから、それを国民が支持しているという構造なのだ。日本人からみたら、韓国に対して、さすがに空しく感じてしまう。

反日を続ける反日

 現在の文政権は北朝鮮への強いシンパシーをもっており、将来の統一に向けた歩みを加速させたいようだ。民族の一体感を高めたい文政権の親北姿勢は、同時に「反日」も続けることなのだろう。  これは韓国のお家芸でもあり、比較的、親日といわれていた朴前大統領でさえ、任期の後半では反日姿勢が強くなり、「恨みは千年続く」と日本を非難したことを日本人はよく記憶している。  であれば、人権派弁護士出身で従北といわれる文大統領の反日が続くというのは、まったく不思議なことではない。

アメリカにも見離される

 G20の後にトランプ大統領は韓国を訪問するという。文大統領が前回、アメリカを訪れた際には、実質会談は2分間だけだったとの報道もあった。 これは、アメリカが文大統領の対北姿勢に疑問を抱き、韓国と距離を置き始めている表れだとの見方もある。  韓国側からも在韓米軍の撤退の話も出たといわれており、アメリカは不信感をいだいているようで、先月トランプ大統領の来日の前後に韓国に立ち寄ることを文大統領側は要求したが、それも実現できなかったのだ。  孤立化を深める韓国は、北朝鮮との交流をより深めたいと考えているが、国連の制裁が実施されているなかでは、思うような行動がとれない。  報道では原油を北朝鮮に流しているといったことも噂されており、レーダー照射事件の際には、まさにその現場を日本に目撃されたことで起こった事案だともいわれているのだ。  中国の脅威や北朝鮮の核問題が東アジアの不安定要因なのだが、日本にとっては、徴用工問題もある韓国との向き合いに如何では、「日韓直接の危機」ということにもなりかねない。 参考:『左翼老人』森口朗著(扶桑社新書)
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