追悼 東城百合子先生(4)

東城先生・講演会写真3(縮小)

立ったまま我を忘れて講演をする東城先生

お天道さまはみている

 『あなたと健康』主幹の東城百合子先生が、令和2年2月22日、逝去されました(享年94)。先生は自然食・自然療法研究家の大家として長年にわたり活躍され、生涯現役を貫かれました。  当社からは、『あなたと健康』創刊45周年記念出版となる『健康になる食べ方 幸せになる生き方』と『長生きできる食習慣――健康長寿にはわけがある』を刊行いただいたほか、日本の歴史を後世に伝えるための教科書事業にも、多大のご理解・ご支援を賜りました。  ここにご冥福をお祈りするとともに、ご遺徳を偲び、東城百合子先生の言葉を紹介します。

『健康になる食べ方 幸せになる生き方』(「まえがき」の続き)

 特に〝お金〟に関わる学びには、大きなものがありました。私はそれを、実践を通して鍛えていただきました。どんなことがあったのか、いちいちここに記すことはしませんが(『お天道さま、ありがとう。』や『マイナスもプラスに生きる』に詳しく書いています)、こんなことがありました。  『あなたと健康』が軌道に乗ってきた頃、常岡先生から「500万円を出しなさい」と言われました。それが、困っている人たちを援助していた常岡先生の原資になるとはわかっていても、会社にとっては大金でした。私が「必ず返してくださいね。返していただかないと会社が立ち行かなくなります」と言うと、先生は、「僕は知らんよ。天が知っとるよ」とおっしゃったのです。私が困った顔で先生を見ると、先生は、「まあ、見ててごらん。これくらい出しておくと、大きい重石となって、どしっと力がつくよ。本当に空になったときに、本当のものが見えてくるよ」とおっしゃったのです。  するとその後、どういうわけか、雑誌や単行本が売れて、ちょうど500万円が入ってきました。これは「天の経済学」とでも呼ぶべきもので、「人との〝ご縁〟を大切にして、自分を〝空っぽ〟にすると、そこに自然の力が入ってくる」という人生の真実でした。それは、「物やお金が先じゃないよ。縁が大事だよ」「天の経済学は愛が資本だよ」という教えでした。  今のあなたと健康社の事務所や料理教室、健康相談室、『あなたと健康』編集部は、たった一人の、小さな事務所からスタートした後、不思議なことに、隣接する喫茶店や料理屋さんが、「閉店するので買い取ってほしい」という〝ご縁〟をいただくことによって、ひとつながりのスペースとなったものです。「買い取ってほしい」という話があった時、私には常岡先生の教えが入っていたので、〝ご縁〟を感じたのです。だから、お金のことは後にして(借金をして)、躊躇せず購入することを決めました。その〝ご縁〟は自然が回してくれたものだからです。そしてその意味も、すぐにわかりました。ほどなく、栄養士の資格をもち、日本料理・中華料理・西洋料理を学んでいて、自然療法も勉強中の米沢佐枝子さんが、「何か手伝わせてください」と、私たちのところに飛び込んできたのです。それは、「ここで料理教室を開きなさい」という天からのメッセージでした。    自分の事情ではなく、天の事情を考えて行動すれば、自然が応援してくれる。    お天道さまはみている、知っているのです。    振り返れば、すべて〝マイナス〟と思われるような人生の出来事を通して、不思議なほど〝プラス〟をいただく日々を過ごすことになりました。  私は93歳になった今も、一日二食の玄米・自然食で、おかげさまで元気に過ごし、『あなたと健康』の執筆をはじめとする仕事を続けています。  「老いゆけよ、我と共に。最善はこれからだ」    これは英国の宗教詩人ブラウニングの言葉ですが、私は今もこの言葉を胸に、『あなたと健康』によって、お天道さまが日本の各家庭に復活することを願い、情熱を燃やし続けています。  『あなたと健康』が読者の皆様と共に、助けられて四十五年、宣伝や広告をせずとも全国に伝えられ、続けられてきたことは、まったく天の助けがあってこそと、深い感謝の気持ちがわいてきます。  本書は、『あなたと健康』創刊45周年を機に、その中に綴ってきたものの中から一握りを、「健康になる食べ方 幸せになる生き方」として編むことにしたものです。皆様の健康で幸せな人生のお役に立てるならば、それに勝る喜びはありません。 平成30年3月5日 『あなたと健康』主幹 東城 百合子 東城百合子(とうじょう・ゆりこ) 自然食・自然療法の大家として知られる。大正14年岩手県生まれ。昭和17年当時日本の栄養学の草分けだった佐伯矩博士に師事、栄養士となる。昭和24年重症の肺結核となったが、自然療法によって自らの病気を克服。それをきっかけに健康運動を始める。世界的な大豆博士といわれ、当時国際栄養研究所所長、国際保健機構理事のW・Hミラー博士に師事、自然の栄養学を学ぶ。昭和35年には沖縄に渡り、全島に健康改革の灯をともした。昭和39年沖縄より帰京、東京に居をすえて、出版活動、自然食料理教室、栄養教室、生活塾、講演活動、健康運動に力を注ぐ。昭和48年5月、月刊誌『あなたと健康』(あなたと健康社)を出版し、以来、出版活動と共に運動を進め、今日に至る。その確かな理論と実績に、全国から勉強に訪れる人が多い。著書に、100万部を突破したベストセラー『家庭でできる自然療法』(あなたと健康社)、『食卓からの健康改革』『心を育てる子どもの健康食』(以上、池田書店)、『お天道さま、ありがとう。』『かならず春は来るから』(以上、サンマーク出版)、『食生活が人生を変える』『自然療法が「体」を変える』『食生活が子どもの人生を変える』『「免疫力が高い体」をつくる「自然療法」シンプル生活』『生きた実例と手引き「自然療法」』(以上、三笠書房)、『健康になる食べ方 幸せになる生き方』『長生きできる食習慣』(以上、育鵬社)などがある。令和2年2月22日逝去。
長生きできる食習慣――健康長寿にはわけがある

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