『大きな努力で小さな成果を』について(6)

黙々と便器を磨く鍵山秀三郎氏『大きな努力で小さな成果を』から(写真撮影:亀井民治)

黙々と便器を磨く鍵山秀三郎氏『大きな努力で小さな成果を』から(写真撮影:亀井民治)

鍵山秀三郎語録 その1

 イエローハット創業者で、「日本を美しくする会」相談役の鍵山秀三郎先生の著作『大きな努力で小さな成果を』(育鵬社)は、その骨太な内容が、編集者である私の心に迫るものだったが、寄せられるお便りやメッセージなどを読ませていただくと、やはり多くの読者の心をつかんでいることがわかる。    今回は、その『大きな努力で小さな成果を』の中から、私が選んだ言葉を紹介したいと思う。いわば「鍵山秀三郎語録 その1」である。  私は今、これから何かを成そうと思っている人にすすめたいのは、「手をかけること」です。手を抜くのではなく、逆に〝ここまでやるのか〟というぐらいに、手をかける。というのも、手抜きで間に合わないと、だますことにつながります。そしてだましの次は犯罪です。手抜きには限界があるけれど、手をかけることには限界がありません。これでもか、これでもかと手をかけていく道は、どんどん先が広がる楽しい道です。(第一章 半生について 「『凡事徹底』の人生観の原点」より)    私が歩んできた人生を通して、「こうしてきてよかった」と思うこと、「これが大事だ」と思うことをお伝えしたいと思います。  私は、学歴も地位も肩書もありません。ただ人生を通してやってきたことは、「誰にでもできる簡単なことを誰にもできないほど続けてきた」ということです。これが私の一貫した人生の歩み方です。(第一章 半生について 「小さな実践の一歩から」より)    サービスとはいったい何でしょうか。  究極のサービスとは、社員さん一人ひとりが、それぞれの人格を高めること、人柄を磨くということです。磨かれた人柄、高い人格でお客様に接するということが最大のサービスであって、これ以上のサービスはないと私は思います。(第一章 半生について 「小さな実践の一歩から」より)  物事がうまく順調に運んでいるときに成長する人はいません。自分にとって抵抗のあること、それからやってもやっても甲斐のないようなことに取り組んだときに、初めて人は成長します。楽なことをするのに努力したり工夫したりする人はいません。やはり、楽ではないこと、抵抗のあることをやるときに、初めて工夫もするし努力もするのです。(第一章 半生について 「小さな実践の一歩から」より)  今の日本の会社を見ると、会社のあり方が根本的に間違っていると思うのです。本来、会社は世の中をよくするために、人の心をきれいにしていくためにあるべきだと思います。ところが、今の会社は社員の心を汚しています。仕事をすればするほど、心が汚れすさんでいきます。巨大企業であっても、立派な経営理念を掲げた会社であっても、やっていることはほぼ同じです。能率、効率を追求するだけに終わっています。(第二章 掃除について 「掃除で心を磨く」より)  人間の価値ということで言えば、本当に価値ある人というのは、「よい習慣」をたくさん持っています。それこそ価値ある人生、価値ある人だと思うのです。「よい習慣」というと、ずいぶん難しそうに考えますけれど、たいしたことはありません。  たとえば、ごみを見たらさっと拾うとか、履物が乱れていたらその履物をそろえるとか、人と狭いところで行き合ったら、ちょっと身を引いて道を譲るとか、一つひとつはほんのちょっとした小さなことです。(第三章 人生について 「価値ある人生を送るために必要なこと」より)  いかがだろうか。こうした言葉と接する時間を持つかどうかで、「人生の質」は大きく変わることだろう。  (文:育鵬社編集部O)
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
おすすめ記事