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公務員を辞めてブロガーになろうと思っています――人付き合いが得意ではない男性32歳の転職相談

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】 “外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える! ◆公務員を辞めてブロガーになろうと思っています スーパー銭湯人(ペンネーム) 公務員 男性 32歳 公務員 とある官公庁に15年間勤務してきましたが、辞めようと思っております。私は組織に必要な人間ではないでしょう。「仕事ができるタイプ」でもありません。人付き合いもうまくできるほうではないです。それらが原因で、たまに陰口を言われているのも知っています。ズルズルと職場に残り続けても、私自身にも組織にもいいことはないと考えた結果、退職を考えるようになりました。  退職後は、以前から興味のあったブログアフィリエイトを始めようかなと思っております。もともと文章を書くことが好きです。さらに、一人で自由に仕事を進められるので、人付き合いが得意ではない自分にも合っていると感じたからです。しかし、大きな満足感を得られることもないのかなとも感じます。退職するという私の選択に未来はありますでしょうか? ◆佐藤優の回答  役所に勤めて15年たつと、自分が組織でどれくらいの位置にいて、将来の出世の可能性がどれくらいあるかがわかります。この頃に「自分の人生はこれでいいのか」と悩み、転職することを考える人は少なからずいます。しかし、具体的にどこか別の役所や企業からスカウトされたという場合を除いて、成功した人の例を私は見たことがありません。  また、役所から民間に転職した人も、収入は役所にいた時代の7割程度になります。給与が同じでも労働時間が増える、労働密度が強化されるということに必ずなります。この現実を冷静に見据える必要があります。  それから、ブログアフィリエイトを含め、物を書く仕事で食べていくことは、とても難しいです。職業作家の私が言うので、これは間違いないです。物書きとして食べていくことができるのは99.9%が運で、実力は0.1%です。外務省にも、私よりも筆力がある人は山ほどいます。仮に私が63歳まで外務省で勤め上げて、『自壊する帝国』(新潮社)に書いたのとまったく同じ内容のソ連崩壊についての原稿を出版社に持ち込んでも、どこも受け付けてくれないでしょう。鈴木宗男事件に連座して東京地検特捜部に逮捕されたので、職業作家になることができたというのが現実と思います。
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私もいろいろな戦略を練りました
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ゼロからわかるキリスト教

“智の巨人”によるキリスト教神学の超入門書。広まる格差社会に、過激化する民族運動――あらゆる現代の難問の根底には宗教があると説いた一冊。’16年刊


自壊する帝国

第38回(2007年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞

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