ラジオ「たね蒔きジャーナル」打ち切り!? 京大・小出裕章氏らがノーギャラ出演宣言&カンパ呼びかけ
『たね蒔きジャーナル』存続のため、私たちは無料ボランティア出演で経費削減に協力します。番組を支えるために多くの人々にカンパを呼びかけます」
そう宣言した「呼びかけ人」は、小出裕章助教、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)、原口一博衆院議員、原一男氏(映画監督) 、山本太郎氏など。事務局は有志がつくった「すきすきたねまきの会」で、湯浅誠氏(反貧困ネットワーク事務局長)ら。いかにもネトウヨが活気づきそうなメンツだが、どんな“活動”をするのか。湯浅誠氏に話を聞いた。
――どういう経緯で今回の動きになったのでしょうか。
「私が打ち切りの話を聞いたのは8月3日。小出さんたちと話をして、急遽、会を立ち上げました。私も『たね蒔き~』の前身の番組に出たことがあるし、3・11以降にYouTubeで小出さんの放送をずっと聞いていました。こういう良質な番組がなくなるのはとても惜しいですから」
――呼びかけの中身は?
「メディア出演経験がある方で『無料ボランティア出演してもいい』という賛同者や、一般の人からの『たねまきカンパ』を募っています。カンパ目標は1000万円。平日夜間60分の番組の1年間のスポンサー料を想定したのですが、金額が明かされないので1000万円としました。それをもとに、8月末~9月上旬にはMBSに番組存続のお願いにいく予定です」
――打ち切りの理由は「関西電力からの圧力」という説もありますね。
「可能性はゼロではないですが、それよりも経営全体の理由だと思います。メディアの広告収入が減るなか、特にラジオは本当に苦しい。だからMBSを責める気はないんです。そこでカンパを集めてMBSに渡す、いわば市民がスポンサーになって番組を存続してもらおうと。結果的に、MBSが交渉のテーブルに乗ってくれなかった場合、お金は東北被災地のコミュニティFM局に寄付したり、良質な報道番組を支えるために活用する予定です。だからカンパがムダになることはありません」
――そうまでして、この番組を支援する理由は?
「いまメディアへの不信が広がって、誰を信じていいのかわからない状況です。そんななかで、『たね蒔き~』はマスメディアに対する信頼を繋ぎ止めていた番組の一つだと感じます。その番組のピンチに対して、『自分たちが支えよう』といって市民が参加するのは、意味があるんじゃないかと思います」
MBSが番組改編を発表するのは9月中旬。それまでに寄付を集めて交渉が成立するか? 残された時間は1か月を切っている。
※賛同・カンパの詳細は「すきすきたねまきの会」HPを参照(小出氏のビデオメッセージもあり)
http://www.tanemakifan.net/ <取材・文/日刊SPA!取材班>
昨年3・11以降、原発事故報道で全国に名を馳せたラジオ番組「たね蒔きジャーナル」(大阪・MBS、月~金・夜9時~)。当時メディアから干されていた小出裕章・京大原子炉実験研究所助教の解説をほぼ毎日放送した「たね蒔き~」は、YouTubeにアップされて、全国の人が聴き入ったものだ。だが、いま、番組は存亡の危機に立たされている。
「たね蒔き~」が「今年10月の改編で打ち切り」との関係者談を報じたのは、8月4日の東京新聞。実は7月下旬からネット上では噂が流れ、存続祈願のプラカードを持ってMBS前に押しかけるファンや、MBSに電凸(電話突撃)をする人も現れていた。MBS側は9月中旬の改編発表までノーコメントだが、「社内上層部は事実上、打ち切りを決めている」(関係者)との声もある。
そんななか、8月16日に本格的な動きが立ち上がった。
「http://www.tanemakifan.net/ <取材・文/日刊SPA!取材班>
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