「中国5000年の歴史」は嘘だった!? 【憲政史学者・倉山満氏×経済評論家・上念司氏】

憲政史学者・倉山満氏×経済評論家・上念司氏

憲政史学者・倉山満氏(左)経済評論家・上念司氏

「中国5000年の歴史」……。確かに、古代文明から連綿と続いていたり、三国志などの有名な古典の存在、さらにはエンタテインメントの世界でも謎の気を操るカンフーが登場したりと「悠久の歴史」的イメージで語られることが多い中国。

 しかし、『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社刊)の著者であり、憲政史学者の倉山満氏によると、その「5000年の歴史」というイメージがまやかしだったという。

 週刊SPA!6/11発売号では、経済評論家の上念司氏とともに倉山氏が日中史のタブーについて激論! その一端を紹介しよう。

――今回、「嘘だらけの日中近現代史」を書くことになったきっかけは何だったのでしょうか?

倉山:中国は尖閣問題やいわゆる南京事件など、歴史を最大の武器として利用してきました。それに対して日本は70年間やられっ放し。その敗因は、日本人が正しい日中関係史というものを知らないという点にある。「国を憂う」などと立派なものではありませんが、歴史学者にも責任があると思うんです。この本を、すべての日本人、そしてマイケル・グリーン(日本に対し対アジア政策において穏健な立場を取るよう提言している米政治学者)に日本語で歴史書を読んでもらいたいという思いで書きました(笑)。

上念:我々は「中国5000年の歴史」という言葉に騙されているわけですが、本当のところは70年くらいだったということがこの本を読んでよく分かりましたよ。どれだけサバ読んでいるのかと。

倉山:中国の歴史サイクルはたったの8つ。

1:新王朝の設立⇒2:功臣の粛清⇒3:対外侵略戦争⇒4:漢字の一斉改変と改鼠歴史書の作成⇒5:宦官、閨閥など皇室側近への跳梁⇒6:秘密結社の乱立と農民反乱の全国化⇒7:地方軍閥の中央侵入⇒8:1から繰り返しです。

 夏王朝から明の時代まであらゆる民族が入り乱れて独裁、腐敗、革命を数千年繰り返しているだけです。「中国人」や「漢民族」が一貫して「中国」を5000年間支配したなどという歴史はありません。そして中国エリートは実はヨーロッパのような近代国家に憧れていましたが、マネできたのは帝国主義だけ。清や明の時代から、各国に移民を送り込んで力と陰謀で世界を乗っ取ろうとしてきたけど、現代の高級官僚が家族を海外に散らしてリスクヘッジしているのもそれと変わらない。

上念:今、アメリカで言われている「中国を止める方法」というジョークの一つには、ハーバードで授業参観をして中国人学生の親を拘束するっていうのがある。アメリカの名門大学には、そのくらい中国の高級官僚の子息ばかりがいる。あと、中国からの海外送金を止めるっていうのもありましたね。

倉山:中国5000年といっても新王朝の歴史や英知が異民族の侵略でいったんリセットされるので、過去に学ぶこともできない。かといって、助けの手を差し伸べた日本のアジア主義者は虐殺者呼ばわれしてきましたから、日本人としてはなす術もないわけです。

◆中国史のサイクルが変わらないワケ

――本著のなかでも、「中国の歴史は8行の繰り返しだ」と指摘されていますが、現在の中国は「皇帝側近の跳梁」を経て「秘密結社の乱立と農民反乱の全国化」あたりということになりますよね。

倉山:そうですね。実際に最近、邪教と呼ばれる地下宗教が活発化しているし、全国各地で暴動も起きているでしょう。中華人民共和国の歴代トップを明朝の皇帝で例えるなら、毛沢東は建文帝、鄧小平は永楽帝か万暦帝あたりということになりますね。習近平は、国政改革に取り組むも、結局先代の悪政による負の遺産を抱えきれずに民衆の反乱にあい、最後は自害した明朝最後の皇帝、崇禎帝になってしまうんではないでしょうか。はっきり申し上げると、中国史は「三国志演義」の脚本のまま、登場人物の名前と武器だけ変えればそのまま語れちゃうんです。

上念:民度もまったく変わっていないですよね。アメリカ人外交官のラルフ・タウンゼントが1933年に書いた『暗黒大陸中国の真実』という本があるんですが、その冒頭に上海の船着き場の描写がある。外来船が港に入ると、近くに漂っている薄汚れた船が一斉に寄って来て、外来船の汚水排出口に柄付きの網を延ばして、そこから出てくる残飯をすくって食料にする場面です。

倉山:それって、今の「下水油(残飯や下水から精製した食用油)」とまったく同じ発想ですよね!

上念:そう。ちなみにタウンゼントは、アメリカは中国と関わらないほうがいいと盛んに提言している。今はその警告を、日本が参考にするべきではないでしょうか。たとえば尖閣をめぐる反日デモのあと、中国進出の日本企業が一斉に撤退を考え始めましたよね。でも僕からすると「何を今さら」って話。「そんなリスク、最初から織り込み済みじゃなかったのかよ!」って。

倉山:当時のアメリカ人は今の日本人以上に中国をわかっていなくて、タウンゼントは異端視され、最後は親ナチス派呼ばわりされた。それで結局、フランクリン・ルーズベルトは親中派に「毛沢東は国民党的ファシズムにも反対しているだけでコミンテルンと関係ない。実は資本主義だ」と言われて鵜呑みにしちゃった。

上念:アメリカはいまだにやたら中国贔屓のイアン・ブレマーみたいな媚中学者の親中論がまかり通っているから、変わっていない(笑)

 以下、大いに盛り上がった倉山氏と上念氏の対談。後半は、倉山氏らが考える「日本がとるべき中国への対処法」を展開。本誌も併せて御覧ください。 <文/週刊SPA!編集部>

●『嘘だらけの日中近現代史
他の中国史研究者が書けなかった日中史のタブーと中国プロパガンダの嘘を気鋭の憲政史学者・倉山満氏が全暴露! 扶桑社新書刊にて絶賛発売中(税込798円)

【倉山満】
くらやまみつる 憲政史研究者、希望日本研究所所長。中央大学文学部史学科卒業、同大学院博士前期課程在学中に国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、日本国憲法を教える。著書に『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社刊)など

【上念司】
じょうねんつかさ 経済評論家。中央大学法学部卒業。日本長期信用銀行、臨海セミナー勤務を経て’07年、勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。著書に『「アベノミクス亡国論」のウソ』(イースト・プレス刊)など

週刊SPA!6/18号(6/11発売)

表紙の人/板野友美

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嘘だらけの日中近現代史

嘘にまみれた中国の正体

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