タダで有意義な暇潰しはできるのか?
財布を忘れて家を出ると、その日一日、どうしようもない不安に駆られるもの。しかしそんな状況下でも生き残るべく、衣食住をタダでどこまでできるかチャレンジしてみた!
◆0円で有意義な暇つぶしができるか
「カネはないけど時間は無限大」という自分のような人々に夢と希望を与えるため「無料でできる暇つぶし」を探した記者T。特集を読んだ人からいずれ「元ニートの星」と呼ばれようという野望を抱き……。
図書館など定番スポットはもちろんしょっぱなから制覇した。もう少し変化球がほしい。というわけで行ってみたのは競馬場。
もともと競馬好きだったこともあり「馬券を買わずにレースを楽しめるか」という試みに挑んだ。ただ競馬場は入場料がかかるためチャレンジにならない。仕方がないので東京ドームの近くにある場外馬券売り場・オフト後楽園でナイター競馬を観ることにした。
平日とはいえ見事に灰色の空気をまとったオッサンだらけ。トイレで個室の順番待ちをしているとポテチをほおばりながら号泣議員並みに読解不能な言葉で話しかけてくる老人に遭遇し「魔境に乗り込んでしまった」と戦慄が走る。
レースの間も意外とみんな淡々としている。「逃げ切れー!」などの絶叫もあまり聞かず。正直楽しめずにいたが、馬券売り場に来たからにはと捨てられていた競馬新聞を拾い、予想。見事ハズれる。お金がかかっていないせいで悔しさも湧かず。1円もかけず競馬を楽しむのは正直無理だと思い知った。
2日目は、もう少し教養があることをと、イタリア文化会館へ行ってみる。都内には海外の文化会館が複数ある。ちょうど「イタリア語講座」をやっていたが、さすがに無料で受けさせてはもらえず。外で盗み聞きするが、何も見えないので何を説明しているのかさっぱりわからず、諦めて図書室へ。
イタリア語の書籍の多さに目がくらむもイタリア料理の作り方など日本語で書かれたものもあり安堵する。図書室で目を引いたのはミケランジェロの全作品集。買えば3万円はする書物を見られると思えば得か……。ほかにも『シモネッタのデカメロン』という下ネタ満載の本があり「イタリア文化会館の図書室は居心地がいい」という結論に落ち着く。
3日目は、スペインの文化会館へ。なぜか七夕イベントを開催していたので「情熱的な恋ができますように」と短冊を書きつつ、スペインに七夕という文化がないことに後で気づく。
4日目は、浜崎あゆみのライブが行われると聞き代々木第一体育館へ。この日の天気はあいにくの雨。音はダダ漏れで、雨に打たれながらも知っている曲も多いため純粋にテンションが上がる。特にあゆが好きってわけではないが。
雨も上がり、代々木第一体育館から歩いて数分のNHKホールでは遊助(上地雄輔)のライブも行われているということで“あゆ”のライブで高まったテンションのままハシゴすることに。どうだ、お金払っていたらこんな“ひとりロックフェス”はできないぞと変な優越感を持ったまま到着。が、NHKホールは気密性が高いのか外は静かで、音漏れもほぼ聞こえず。静寂の中、木立に囲まれたホール周辺から湧く蚊に刺されまくり、ツラくなって“あゆ”のライブにUターン。
終演後もファン同士の交流が活発でファン層の幅広さにも目を見張る。「音漏れ」は予想以上に感動できると実感したので、次は虫よけスプレーを持参して、臨もうと思います。
<検証結果>
コンサートの場外は感動と蚊に刺されに出合える
― 徹底実践 人はどこまでタダで暮らせるか?【4】 ―
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