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大混雑が急に静かに…夏のリゾート“穴場時間”を研究

 夏休みも後半。帰省ラッシュや海外旅行などのピークが過ぎ、疲れたカラダを自由気ままな日帰り旅で癒したい……。そんな時期に、大混雑するレジャー施設の空白時間帯を狙って脱力するという“逆転発想ヒーリング”を体験した。

昼の屋内プールはまさに“THE夏休み”という感じの大混雑ぶりだが……

 福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズ。「めちゃめちゃ混む屋外プールに、サーッと人がいなくなる時間帯がある」ということで、半信半疑のままJR常磐線特急「スーパーひたち」の午後便に乗って、現地へ向かった。  いったいどんなトリックなのか……。早く見たいという思いで日が傾きかけた17時ごろにゲートに着いたが、失敗した。入場料は15時以降のプライスで2730円。あとでわかったことだが、18時以降1620円という9月30日までの夏休み限定プライスが存在した。  園内は、ファミリー、カップル、グループと老若男女で超満員。プールサイドをまっすぐ歩くのも難しいほどで、大はしゃぎの子どもたちが四方八方から飛び出てくる状態。 「これじゃあ疲れがとれるどころか、帰京してまたぐったりだ」と思った矢先、状況が一変。太陽が西側の山並みに沈もうとするころ、屋外プールエリア「スパガーデン パレオ」を駆け回る子どもたちの姿や、はしゃぎ声が、消えた。急に静かになり、森からヒグラシの鳴き声が聞こえてくる。  スタッフに聞くと、「宿泊のお客様が夕食の時間となり、クルマで来た日帰りのお客様が帰りの支度をはじめるころです」との答え。単純だけれど明快。そのうえ、「目玉のグランドポリネシアンショーが20時30分からということで、その前にプールから上がって席の確保や食事を済ませるという人が多い」というワケ。  屋外プールの“穴場の時間”は、アダルトな雰囲気。まさに夕暮れどきのリゾートで、カップルたちが水に浸かりながらリラックスした時間を過ごしていた。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=700077

大混雑の昼間とまったく違う雰囲気に、うっとり……

 千葉県松戸市の20代の男女は、「地元の駅で15時ごろ待ち合わせて、18時からの料金で入りました。特急の中でビールとかやりつつ、夕方にプール入って、お土産買って最終の電車の中で駅弁食べながら帰るという感じです」と話していた。また、埼玉県八潮市からクルマで訪れた20代の男女4人組は、「この時間の屋外プールと温泉に浸かって、ステージショーを見て号泣して帰る」と笑っていた。  あいにくひとりの記者は、誰もいなくなったジャグジーでひとりビールやカクテルを堪能。屋外プールのジャグジーでは、温泉に浸かりながらお酒も愉しめる。ジャグジーに浸かり酒を片手にフラガールのミニショー(8月中は毎日18時半から)を眺めれば、身体は一気に“弛緩”。夜の帳が下りたころ、星空を見ながら水に浮かぶか、目玉のグランドポリネシアンショーへと移るか、贅沢な悩みに浸った。  混み合うリゾート地の“穴場な時間”に展開されるちょっと大人な雰囲気に、酔った。 <取材・文・撮影/大野雅人>
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