SKE48・木下有希子が見せた5年間の軌跡「公演の大事さを伝えて卒業したい」

 木下有希子が今月いっぱいでSKE48を卒業する。5年前の11月1日にSKEに第3期生として合格した彼女。奇しくも11月1日、2日に行われた今年のリクエストアワー(以下、リクアワ)は、彼女が歩んだ5年の軌跡をなぞるような2日間になった。

木下有希子

オーディション当時の木下有希子。当時15歳

 歌よし、ダンスよし、スタイルよし。公演MCやラジオでは頭の回転の早さでトーク能力も発揮。ファッション研究会の副会長を務め、着こなしのうまさはメンバーたちから憧れられた。卓抜したダンススキルで後輩を指導し、さばけた性格と面倒見の良さで人望も厚い。選抜メンバーとして活躍してきた歴史もある。その一方、AKB48シングル選抜総選挙では過去2カ年、速報ランクインするも本番では圏外に消え「速報選抜」のあだ名がつくなど苦しい思いも経験してきた。だが、今年の選抜総選挙では圏外からの40位と大逆転勝利して雪辱を果たす。

木下有希子

'14年の総選挙で初のランクイン。ネクストガールズに選ばれた

 コンサートは決選最下位の242位となった「キスはだめよ」で初日の幕を開けた。そのセンターは木下が務め、阿比留李帆、中西優香の両先輩と共にセクシーでしなやかなダンスを披露。直後のMCでは多くのファンが会場のあちこちで「ゆっこ」の愛称を大声で叫んだ。以下、5曲のシングル選抜曲(★印)を含め、今年のリクアワで木下が歌唱した全楽曲を列挙した。彼女がSKE48を彩る、いかに貴重な存在だったかが改めてわかる。

木下有希子

「キスはだめよ」でいきなりの登場

【1日・昼】
242位「キスはだめよ」(阿比留、木下、中西)
98位「1!2!3!4! ヨロシク!」(★全員)
95位「お待たせSet list」(高柳・古川チームKII混成)
93位「シャララなカレンダー」(主に松井チームE)
92位「僕の太陽」(主に松井チームE)
89位「キスだって左利き」(主に同曲選抜メンバー)
80位「美しい稲妻」(★主に同曲選抜メンバー)
77位「サヨナラ 昨日の自分」(古川チームKII)
~アンコール~
「叱ってよ、ダーリン!」(全員)
「白いシャツ」(全員)

【1日・夜】
74位「誰かのせいにはしない」(主に同曲選抜メンバー)
69位「オキドキ」(★宮澤チームS&須田チームE混成+木下)
63位「パレオはエメラルド」(★主に同曲選抜メンバー)
61位「愛しさのdefense」(宮前、木下、岩永)
59位「Darkness」(主に同曲選抜メンバー)
56位「石榴の実は憂鬱が何粒詰まっている?」(主に同曲選抜メンバー)
51位「青空片想い」(★主に同曲選抜メンバー)
~アンコール~
「今日までのこと、これからのこと」(全員)
「僕たちの紙飛行機」(全員)

【2日・昼】
48位「声がかすれるくらい」(主に同曲選抜メンバー)
39位「なんて銀河は明るいのだろう」(主に同曲選抜メンバー)
36位「孤独なバレリーナ」(古川チームKII)
~アンコール~
「大好き」(全員)
「大声ダイヤモンド」(全員)

【2日・夜】
8位「クロス」(木下、高柳、石田)
4位「思い出以上」(木下、松井珠、宮前)
2位「少女は真夏に何をする?」(3期生+石田、斉藤)
~アンコール~
「SKE48シングルメドレー」(全員)

 初選抜曲の「青空片想い」でのさわやかなキレキレのダンス。打って変わって「愛しさのdefense」 では細くしなやかな肢体で妖しく魅せる。「クロス」「思い出以上」では息ぴったりのスピード感で高柳明音と松井珠理奈を盛り立てた。

木下有希子

卒業生の山下もえ卒業以後、ユニットを守ってきた

 そして、注目の木下歌い出し初センター曲「少女は真夏に何をする?」は惜しくも2位。もし1位なら今年のリクアワは木下センター曲が最下位と最上位を占めるところだったが、そこまでの奇跡は起きなかった。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=748420

 木下はこの結果について終演後の記者会見で「第2位というすてきな順位をファンの方にプレゼントしていただいて、すごくうれしい」と素直に笑顔で喜んだ。本人は2位という高順位は想像しておらず、「普通に『少女は真夏に何をする?』を歌えたらいいな」ぐらいの気持ちでいたという。ただ、「やっぱり第2位と聞くと、1位がいいと思っちゃうんですよねえ」と僅かだが悔しさもにじませた。「虫のバラード」で1位を獲得した山下ゆかりの方を向いて「素直にゆかりの1位はうれしいし、でも2位もほんとうにすばらしいこと」と言って喜びを分かち合った。「3期生とオリジナルメンバーが3人(木下、須田、斉藤)、あとダンスメンでおなじみの(石田)安奈と一緒に歌えてほんとうによかった」と感動にひたっていた。

 また、「(歌い始めると客席に)青いサイリウムが一面に広がっているのが見えてすごく感動したんです。そうしたら、(AKB48に移籍し、当日サプライズ共演した同期の木崎)ゆりあが横で、すっごく泣いていて、もらい泣きしそうになりました。最後のMCの時に『ゆっこ』コールがあった時もちょっとグッときましたね。本当にうれしかったです。でも、涙をこらえて最後の(劇場)公演で泣こうと思います」とも話してくれた。

 木下はSKE48として残り僅かな日々をどう過ごしたいのか。とても彼女らしい答えが返ってきた。

「私は公演を大事にしてきたので、(後輩に)教えられるところはきちんと教えて去りたいですね。ポイントとしては、自分を出すのも大事なんですけど、やっぱり公演というものは一体感がいちばん大事だと思う。自分のことを考えるのもいいとは思うんですけど、周りのこともしっかり考えて、みんなで公演を盛り上げていってほしいなと思います。あと、ツアーもあるので頑張ってほしいなって思います」

木下有希子

会見に参加した木下有希子(左)

 他方、2期生として活動を始め、今年いっぱいでの卒業を表明している山田澪花は54位「アイドルなんて呼ばないで」などのユニットメンバーとして登場。チャームポイントである「ビッグスマイル」を会場に振りまいた。42位「僕らの絆」(作詞・作曲は佐藤実絵子)は9人の2期生全員で歌唱。山田を中心に肩を寄せ合い、メンバーたちは涙ぐんだ。20位「嘘つきなダチョウ」はSKE48の楽曲としてオリジナルメンバー(山田、石田、後藤)が残っているたった2曲(もう1曲は松井玲奈「枯葉のステーション」)のうちの1つ。山田の卒業でその一角が欠けるため、ファンにとっても貴重なパフォーマンスとなった。

木下有希子

山田澪花を中心に2期生が歌う

 同じく年内いっぱいで卒業することが決まっている4期生の水埜帆乃香は34位「向日葵」に170センチ超の長身メンバーとして研究生時代から親しかった井口栞里(今年4月卒業)のポジションに入り、太陽に向かい高く伸びた向日葵の花のように明るい笑顔で歌い切った。正規メンバーに同時昇格を果たすこととなった5、6期生たちと一緒に選抜された17位「いつのまにか、弱い者いじめ」にも水埜は登場。「思い入れが強い」という曲を仲間たちと歌唱した。

木下有希子

水埜帆乃香も堂々としたステージを披露した

 今年のリクアワは多くの卒業メンバーたちの登場が話題になったが、このステージを節目として卒業していくメンバーたちの記憶も、われわれはしっかりと胸に刻むだろう。 <取材・文/竹内一晴 写真提供/AKS>

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