更新日:2022年10月01日 01:13
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AKB48 team8がエイトの日に名古屋のファンを圧倒

 AKB48チーム8が『8月8日はエイトの日 2017 今年は名古屋だ!センチュリー祭』を名古屋国際会議場センチュリーホール(愛知県名古屋市熱田区)で開催した。コンサートは昼・夜の2部構成で、各都道府県を代表する44人のチーム8メンバーたちが2チーム(昼:ヤングメンバー昼22名・夜:アダルトメンバー23名)に分かれて出演(広島、徳島は現在新メンバー選考中、佐賀新メンバーは昼夜一部参加)。開催地・愛知県代表の歌田初夏は昼夜両方に出演した。  昼公演の前座では歌田がソロで指原莉乃の「それでも好きだよ」を歌唱。続いてチーム8の左利きメンバー、坂口渚沙(北海道)、小栗有以(東京)、長久玲奈(福井)、佐藤栞(新潟)、行天優莉奈(香川)、寺田美咲(長崎)、倉野尾成美(熊本)が勢ぞろい。SKE48のシングル曲「キスだって左利き」を披露した。本編に入っての第1曲目にもSKE48最新シングル「意外にマンゴー」をぶつけてきた。こう畳みかけられたファンはどよめくと同時に、この日のテーマを悟ったようだ。ほぼ反射的に同曲歌い出しの部分にある「Splash!」の掛け声を会場全体で唱和する見事な対応。この日のコンサートの開催地、名古屋を本拠地とする「SKE48の楽曲祭」、そう言い切れるようなセットリストの幕開けだった。 AKB48 team8 SKE48楽曲は昼夜全57曲(46タイトル)のうち16曲(16タイトル)と全曲の約3分の1近くを占めた。これまでのチーム8のコンサートにはなかった斬新な構成だ。今回はそこに注目し、「チーム8がSKE48楽曲をどう演じたか」についてレポートしたい。  昼中盤のユニット曲のパートでは、小栗と永野芹佳(大阪)のアイドル性が高い2人による「狼とプライド」がファンを悶えさせた。最近、センターを窺う勢いの好パフォーマンスが光る下尾みうを(山口)センターに濵咲友菜、谷口もかとの息もぴったりだった「クロス」。中部エリアの初々しい3人、歌田、平野ひかる(石川)、髙橋彩香(長野)による「ウィンブルドンへ連れて行って」。振りと衣装がキュートだった宮里莉羅(沖縄)、阿部芽唯(島根)、吉田華恋(福岡)の「嘘つきなダチョウ」、3階席から1階席まで客席にも登場しながら駆け下りてくる演出でファンを沸かせた吉川七瀬(千葉)谷川聖(秋田)、山本瑠香(和歌山)、の「フィンランド・ミラクル」。AKB48リクエストアワーで姉妹グループのファンにとってもなじみのある人気の5曲が続く。橋本陽菜(富山)がセンターを務めた「パレオはエメラルド」は全員中高生メンバーによるパフォーマンスで、会場全体をさわやかな空気で満たしてくれた。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1381376  代表曲「47の素敵な街へ」で本編を終えた後のアンコール1曲目はSKE48楽曲中でも、ハードなダンスナンバーとして知られる「恋を語る詩人になれなくて」が炸裂。ダンス巧者の多いチーム8だが、この曲のセンターに何と「省エネダンス」で有名な長久玲奈(福井)を据えるという大胆なフォーメーション。SKE48はダンスに定評があり、ファンの目も厳しいことで知られる。そのホームでの同曲パフォーマンスをチーム8のファンも固唾をのんで見守った。もっとも激しいスクワットのような振り部分は明らかに省略されていたが、同曲センター2度目(初回は今年1月TOKYO DOME CITY HALL『新春!チーム8祭り〜東の陣〜』)となった長の懸命さは伝わり、脇を固めた坂口、小栗のダンスのキレは見事だった。間奏での見せ場であるソロダンスは下尾と48グループ屈指のダンススキルを誇る横山結衣(青森)がパワフルに躍動してファンを魅了した。  昼公演では出会いと別れが交錯した。ファンの大方の予想どおり、欠員となっていた佐賀県代表に新メンバーとして川原美咲(15歳、2002年4月3日生)が登場。硬く緊張した表情で「FIRST LOVE」を歌い上げるとファンは暖かい拍手でチーム8入りを祝福した。その一方で、昼公演の終わりがけに8月20日に卒業を控えた阿部芽唯が挨拶。「こうやってチーム8全員でステージに立たせていただくことはこれで本当に最後なので、1曲1曲噛みしめながらやらせていただいたんですけど、ファンの方1人ひとりと目を合わせることができるのも最後なので、みなさんの顔を目に焼けつけて、頭に残してこれから頑張っていこうと思います」と感謝を述べた。ファンの大きな拍手に包まれた阿部の目にはうっすらと光るものがあった。  夜公演の前座もSKE48を意識しての「手をつなぎながら」から。次にSHOWROOM(インターネット上の仮想ライブ空間)を使って、AKB48総選挙時に行われていたアピール配信で、ポイント獲得数上位だった16人による選抜楽曲「プライベートサマー」が初披露された。チーム8からランクインした4人、センターの大西桃香(奈良・1位)、佐藤栞(新潟・3位)、下青木香鈴(鹿児島・5位)、太田奈緒(京都・13位)を前面に押し出した初パフォーマンスに、チーム8ファンは開演前から大興奮状態になった。  チーム8の「47の素敵な街へ」から始まった本編は3曲目に「美しい稲妻」を倉野尾と舞木香純(福島)のWセンターで披露。続く4曲目は佐藤朱(宮城)と岡部麟(茨城)がWセンターを務める「片思いFinally」のキックで見せ場を作る。両曲に出演した倉野尾は「SKE48さんの曲をお風呂でもずっと歌っている。好きなんだ、君が好きなんだ~♪ってやつとか」と昼公演MCで宮里が述べたとおりのSKE48曲好き。’16年9月15日開催の「AKB48グループ同時開催コンサートin横浜 ~今年はランクインできました祝賀会~」では大場美奈ら5人と「強き者よ」を歌唱したが、指先から体の隅々にまで力の通ったパフォーマンスで見る者を唸らせた。古い話だがSKE48劇場支配人の湯浅洋氏がSKE48メンバー数人を撮った写真に倉野尾も映り込んで「右端の子、誰?」「こんな子いたっけ?かわいい!」とSKE48ファンの間で話題になったこともあった。  中盤のユニット曲のコーナーはその倉野尾をセンターに、小柄ながらも全身全力でのダンスが特徴の下青木、横道侑里(静岡)を左右に従えた「Glory days」でスタート。その後もSKE48楽曲がちりばめられた流れだった。コミカルなMCを交えながらの佐藤栞と佐藤朱との「ここで一発」、小田えりな(神奈川)、岡部麟(茨城)、太田奈緒の3人で歌うという珍しい趣向の「枯れ葉のステーション」など。上記2曲の間に披露された、山田菜々美(兵庫)センター、左伴彩佳(山梨)、歌田による「雨のピアニスト」はファンの大きな歓声で迎えられた。今春、高校を卒業して表現に大人の色香も漂いはじめた山田、特別に挿入された雷鳴のようなピアノ演奏で見せ場を作った左伴、普段の子どもっぽさとは裏腹に安定感のある歌唱力で会場を沸かせた歌田の3人。夜公演を見に来ていたSKE48キャプテン、斉藤真木子がツイッターで「山田菜々美ちゃんの雨のピアニストに度肝抜かれたな」とつづるほど、鮮烈なパフォーマンスだった。  終盤、アンコール1曲目はサプライズだった。今年の第9回AKB48選抜総選挙のアップカミングガールズ楽曲「月の仮面」をチーム8だけで初披露。同曲センターを射止めた太田(65位)、永野(67位)、坂口(69位)の3人が「応援をしてくださった皆さん、ありがとうございました」(太田)などと挨拶。ランクインの喜びを噛みしめながら熱唱した。 「はっつの大成長、乞うご期待!!」。阿部が前日の755にこう書き込んだとおり、メンバーやファンの間では、今回のコンサートでは地元代表である歌田の「大化け」する姿が見られると期待する声が事前から多かった。関東圏以外のチーム8年少メンバーによくあることだが、劇場出演経験が増えず、歌唱やダンス、MCなどを現場の実践から学ぶことができない。特にダンスが不得手だという歌田はつい最近まで、立ち位置を間違えないようにするだけで精一杯だった。終演後、彼女は本番当日を迎えるまでの心境、コンサートの感想、そして今後の抱負について話してくれた。 「愛知県で開催が決まったときは本当に嬉しくてありがたかったです。地元での開催ということで昼夜出演させていただいたり、ソロ曲をさせていただいたり、『47の素敵な街へ』でセンターをさせていただいたりと、ありがたいことにたくさん出番をいただいたぶん、すごく周りのメンバーよりダンス下手なんじゃないかなとか、せっかくの愛知県なのに失敗しちゃったらどうしよう、とか毎日緊張していました。  (苦労した曲といえば)どの曲もいろんな難しい要素があったんですけど、一番はポニーテールとシュシュです。イントロのピアノ演奏を任せていただいたのですが、小学校1年生からピアノをまったくしていなかったので練習を始めた頃は片手も全然弾けませんでした。いろんな方に助けていただき、本番は完璧ではなくてぎこちなかったけど両手で弾くことができました。いつかリベンジしたいです。  最近は個人の仕事も増えつつありますが、全然まだまだなのでこれからも上を見て頑張って行きたいなって思います! いつかまた実力で『47の素敵な街へ』のセンターを取れるように頑張ります! これからも応援よろしくお願いたします。大大大成長目指すぞー!!」  本人はまだまだ納得できていないようだったが、この日の歌田は硬さが抜けた満面の笑顔、四肢を大きく使ったダンス、上述の「ポニーテールとシュシュ」でのピアノはろくに弾けてないにもかかわらずやり切って、最後はどや顔で決める舞台度胸など、その成長ぶりには目を見張はるものがあった。「金シャチみたいにきらきら輝けるアイドル」を目指す歌田初夏のまばゆい「片鱗」が見られた一日だった。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1381396 取材・文/竹内一晴 写真提供/AKS
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