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日テレの女子アナ内定取消騒動「正直者はバカを見る?」

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その44 ―

 日テレは今回の、笹崎里菜さんの内定取り消し騒動で、自ら墓穴を掘ったような気がしてならない。事の経緯を見る限り、幾らでも未然に防げた話なのだ。簡単な流れはこうだ。内定が出てから「後で世の中に出るとまずいようなことしてないか」みたいな質問をされ「実は母親の知り合いのクラブで少しバイトしてて」みたいな返答をし、そこから何度もやりとりをして、最終的には内定取り消しとなっている。これに納得のいかない笹崎さん側が、内定取り消しの取り消しを求めて、裁判で係争中だ。
内定取り消し問題で揺れる日本テレビ

内定取り消し問題で揺れる日本テレビ(Nippon Television Network Kojimachi Studio / Dick Thomas Johnson)

 笹崎さんも、性格的には天然ちゃ天然だよね。そんな質問をされたら「あるわけないじゃないですか」で、終わらせるべきでしょ。バカ正直に、自ら電話をして相談を持ちかけているんだから、多分ほんといいコだと思う。すくすく育って、人に対して疑いとか持たずに、生きて来たんですな。  対応のまずいのは日テレ側だよね。まず「事前に言っておくべきことはないか?」「出たらまずい写真や情報はないか?」と、日テレ側は、聞いて来たが、すでに内定は出ているのだから、入社を前提に非公式な打診として聞いたわけだ。  聞かれた方も、すでに入社が決まってから出した情報で、入社が覆るとは思ってないから、安心して夜のバイトの話を持ち出した。そこでの理想の対応はこうだろう。普通は「聞かなかったことにする。後はキミの運に任せる」と言えば、自分にも責任が被らないし、実は取りたかった人材なんだから、取れば良かったんだよ。それが上司に告げ口してさ。  最初の最初は、担当者だけの話にする予定だったが、たぶんサラリーマンの性だろう。つい責任逃れで上に言ってしまった。話を受けた上層部では、銀座のクラブって言葉が一人歩きし、米倉涼子がママをやってるイメージで話を勝手に盛ってしまったのか。パニック状態、もうダメだと判断したんでしょう。  個人的には笹崎さんの大応援だよ。偉いよね、就職学生が大企業を訴えるなんてさ。これはもう、いっそフリーに転身してアナウンサーをやり、日テレ以外で、出まくるのが、いいんじゃないか。今となっては、こんないいコの、首を切ったの誰だになっている気がしてならない。  そんなわけで、夜の六本木の事情はどうなっているのか? 実は局アナや芸能人が、デビュー前に働いていましたっていう店が結構ある。六本木にAという、芸能界、モデル界の登竜門的な店がある。あと西麻布界隈の幾つかの会員制ラウンジ。ここなら来るメンバーが決まっているので、情報が外に漏れる心配はないのだ。  そのAという店。過去に1回行ったことがある。Aはキャバ嬢の側の厳しい面接もあるが、お客さん側の面接も厳しく行っている。もちろん私なんか入会できるわけもなく、連れてってもらったクチだ。  店は高級クラブというか、高級ラウンジ風で、女の子は当初、レースクイーンやモデルの卵も多かったが、今は芸能志望が沢山いる。局アナ志望者は、基本就職活動をするから多くないが、いないことはない。なんでそんなに、いい女が集まるか。それは口が固いからだ。名刺を貰って、役職をしっかり調べて、面接しているから、客も逃げようがない。店で起きた情報は外に流さない約束もさせられるし。
木村和久

木村和久

 今後、就職活動において、アルバイト歴は申告義務にしない方がいい。昔K大学の幼稚舎に、AVの巨匠、M西監督の御子息が入られた。当時は人物本位で、親の職業は不問だった。受かった御子息は、その後、入学取り消しになってない。実に太っ腹な学校じゃないか。けどこの出来事以降、親の職業を精査することになったらしいけどね。この話も一応都市伝説ということで。それに引き替え、日テレは、ほんと度量が狭いこと。今からでも遅くないから、入社を認めてあげればいいのに。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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