サイバー攻撃で原発を停止!世界ハッカー極悪ランキング
現在世界のいたるところでサイバー戦争は勃発している。とりわけ凶悪な集団はどこなのか――専門家に格付けしてもらった。
◆サイバー攻撃で原発を停止!
⇒【vol.1】はコチラ
アノニマスによるISへのハッカー攻撃は意味がないというが、現在、さまざまな集団がサイバー上で戦いを繰り広げているのは事実。そこで天才ハッカー・福森大喜氏に、世界で暗躍している本当に悪質なハッカー集団を挙げてもらうとともに、どんな攻撃を行っているのかを解説してもらった。
「よく訓練されたハッカーを大量に抱えているアメリカのNSA(国家安全保障局)は、規模や悪質性からいっても圧倒的です」
’10年、イランの核燃料施設がサイバー攻撃を受け、約8400台のウラン濃縮用遠心分離機が全てストップしたのもNSAの仕業。福森氏によれば、NSAが行ったとされるこの種の攻撃には、施設内にあるコンピュータ機材の型番までをすべて把握し、その機材がどうつながっているかまで知っている必要があるという。
福森氏にはワースト10まで挙げてもらったが、驚くべきは国家機関、または国家機関の関与が疑われるハッカー集団が多いことだ。単にハッカーだけではなく、諜報活動とのハイブリッド型の攻撃により、人命が失われる可能性も。
「NSAによる核施設への攻撃は、人命に被害がないよう細心の注意を払っていたようですが、下手をすれば重大な事故になります。逆に、そうした被害を与えることも可能だということです」
いまだルールのない状況で自国に都合のよい勝手な正義感でサイバー攻撃を始めると、それがいつサイバー戦争へ発展するかわからない。中国や韓国、ロシアなどもサイバー攻撃を活発化している。今後は、日本もサイバー攻撃に対抗できる備えを整える必要がある。
<最凶ハッカーランキング 1~3位>
◆イラン核燃料施設の制御システムを破壊!
1位 NSA(国家安全保障局)/アメリカ
アメリカの諜報機関。特に悪質なハッキング行為を行うのが「TAO(Tailored Access Operations)」という部隊。元契約職員であったスノーデンが、内部告発したことで一挙にその悪事がさらされることになった。イランの核燃料施設への攻撃やディスクフォーマットでも削除できないマルウェアを開発するなど、技術力は他を凌駕する
◆各国政府高官の電話やメールを傍受!
2位 イギリス・GCHQ政府通信本部
イギリスの諜報機関のひとつで、国内外の情報収集や暗号解読を担当している。福森氏によれば、中でも「Network Analysis Centre」という部署がハッカー集団だという。携帯電話を盗聴するため、ベルギーのISPにサイバー攻撃を仕掛け、侵入していたことが、 ’14年に明るみに出て悪名を轟かせることとなった
◆ネットワークを粘着質に攻撃する
3位 ディープ パンダ/中国
ハッキリと中国政府が関与しているかまでは不明。アメリカの企業が狙われていたが、数年前から日本の企業も被害に遭っている。福森氏によれば、技術力の高い集団で、かつ数か月におよぶ長期間にわたって、執拗に攻撃をしかけてくるのが特徴。日本人の個人情報も、大量に盗まれている可能性が高いようだ
⇒【vol.3】に続く https://nikkan-spa.jp/817833
【福森大喜氏】
ネットセキュリティのプロ集団、サイバーディフェンス研究所の上級分析官。現在はインターポールのシンガポール局に出向中だ
― [アノニマスより怖い]世界ハッカー極悪ランキング【2】 ―
ハッシュタグ