ISへ宣戦布告したアノニマスは、ハッカー集団ではない!?
現在世界のいたるところでサイバー戦争は勃発している。とりわけ凶悪な集団はどこなのか――専門家に格付けしてもらった。
◆アノニマスよりも悪質なアメリカの諜報機関
これまで各国の政府やグローバル企業を標的に、サイバー攻撃を繰り返してきたハッカー集団・アノニマス。そのアノニマスがIS(通称イスラム国)への宣戦布告を行ったことで、の評価と期待が高まっている。ではアノニマスとはどんな集団なのか? アノニマスがISに対して行ったサイバー攻撃には、どれだけの効力があるのか? 企業や政府にネットセキュリティの助言をする立場であり、現在はインターポール(国際刑事警察機構)に出向する天才ハッカー・福森大喜氏に話を聞くことができた。
「そもそもアノニマスを犯罪者集団、ハッカー集団だと一元的に表現するのは間違いです。犯罪行為を行っているのは、アノニマスの中のほんの一部の人たち。どんな組織でも巨大化すれば、過激な人が出てきますよね」
まずアノニマスが、一般的に報じられている“ハッカー集団”ではないという。例えば日本のアノニマスは、違法行為はしないと宣言している。とはいえ、アノニマスの一部がISにサイバー攻撃を仕掛けたのは事実だ。
福森氏はアノニマスについて、「ISを潰すために攻撃していると言っていますが、攻撃内容を見るとフェイスブックやツイッターアカウントを暴露し、停止させているだけです。ISからしたら特にダメージもないでしょうね。プロの攻撃者集団からすれば、本当に幼稚な、自己満足行為です」
と一刀両断。実際に実効力のある攻撃をしたいのであれば、公表することなく、彼らのアカウントを常時監視すべきだという。監視を続けることで、人質がどこにいるか、次の攻撃ターゲットがどこなのかなどがわかる可能性があるという。だが現状のアノニマスの攻撃には、残念ながら「まったく意味がない」と言うのだ。
⇒【vol.2】に続く https://nikkan-spa.jp/817832
<アノニマスとは>
流動的にメンバーが変化し続けるインターネット上で自然発生的に集まってできたグループ。ハクティビスト=ハッカー+アクティビスト(活動家)の代表格。金銭目的ではなく、政治的、社会的主張を目的としたサイバー攻撃を主とする。逮捕者を出しながらも、いまだ活動を続けている
【福森大喜氏】
ネットセキュリティのプロ集団、サイバーディフェンス研究所の上級分析官。現在はインターポールのシンガポール局に出向中だ
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