第503回

10月25日『ゲームのじかん』

・ニコニコ生放送の番組『ゲームのじかん』が終わってしまったことが、木曜の夜に延々とやってたあの感覚がもう二度とないってことが、どうもまだ信じられないです。おっと、おいおい、ちょっと待ってよ、という感じ。

・その後、いろいろなメッセージを頂いて、自分が視聴者の皆さんと全く同じ寂しさを感じているということに気づいたりもしてます。僕は出演しながら、視聴者でもあったのでした。そして視聴者も、パソコンの前で、番組を見ながら、出演もしていたのですね。それがニコニコなのでした。

・さてこれから隠遁して小説に専念する、という判断が一番美しいのでしょうが、ゲームはまだまだ面白い時期が続くという確信があり、あと数年は本気で関わっていたいと思っています。小説を書くことだけでなく、ゲームの魅力を伝えていくことも自分にできる大切な仕事なのだと思うようになりました。しばらくは呼ばれたらどこへでも行き、そうやって放電しながら充電していきます。

・プレコミュではレギュラーで『お届け!「プレコミュ」Cafe』という企画をお手伝いしてます。公式なので正面から聞き、深く掘り下げることを目指してます。見てみてください。 →(プレコミュのグループ『お届け!「プレコミュ」Cafe』から)

10月30日「新番組」

・『2013年のゲーム・キッズ』スタートのこと、正式発表になった。これから特別なショートショートを毎週1本書き続けます。星海社のサイト「最前線」を注目していてください。

・そして毎週金曜日夜7時・星海社太田克史氏とニコニコ生放送で新番組を、はじめます。星海社アワーfeat.2013年のゲーム・キッズ。第1回目は11月9日(金) 19:00〜20:00。毎週書き下ろされる『ゲーム・キッズ』最新作を、旬の声優さんに生放送で朗読してもらう、という企画です。

・”声優”のアーティストとしての価値にスポットを当てるという目的もあります。なんといってもあの「朗読館」の星海社ですし太田さんですし、声優さんにとっても、これはガチンコ勝負の場になるかもしれません。

・出版の未来を企画そして実践してきたあの星海社「公開企画会議」も半年ぶりに再スタートします。この機会に例のことも話します。

10月31日「無断配信の件」

・『プラトニックチェーン』無断配信への対応、時間をかけ証拠と証言を記録しつつ、粛々と進めています。近年アジア各国で著作権モラルが徹底していった過程などをみるにつけ、ここはとても大事な局面とも思えるわけです。

・ここで一つ、再確認しておきます。プラトニックチェーンの原作著作者は僕で、アニメーションについても、僕の許諾がなければ配信も販売もできません。そして僕は今のところ、どこにも許諾していません。DVD販売など限定的に許諾していた時期もありますが、現在は完全に終了しています。すなわちここに明白な著作権侵害行為があり、ここに明白な著作権所有者がいる、ということになります。

・「著作権は渡辺ではなくどこか他の組織だか委員会だかが持っていて、今回の件はそこが正式に許諾した案件で、渡辺はそれを知らずに騒いでる」という情報を流している人達がいるようです。わざわざそんな嘘をつく理由は何なんでしょう。嘘を流してメリットがあるのは「誰」なんでしょうか。これも、合法的にそれが出来るようになった段階で、しらみつぶしに調査します。僕はしつこいですよ。

・それから「渡辺そんなに金がほしいのか」とおっしゃっている方々もいるみたいですね。金が目当てじゃないから民事じゃなくて刑事で、っていってるんです。今回の件でもし1円でも儲かったらどこかに全額寄付しますよ。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。