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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。

第529回

9月21日「東京ゲームショウ」


・東京ゲームショウ2018が始まりました。今年も公式動画チャンネルのメインMCを、青木瑠璃子さん、結さんと一緒に担当してます。

・会場内の特設ブースからずーっと生放送してます。産地直送ってわけですね。オフィシャルサポーターの『ゲームセンターCX』有野課長、バーチャルキャスターのミライアカリさんも、ときどき来てくれます。

・・・

1日目

2日目

3日目

4日目

・会場の雰囲気はこんな感じです↓ 22(土)・23(日)は一般公開日ですよ。























2018.09.21 |  第521回~

第528回

9月14日「テレビではよくある話」


・1990年代の中頃、僕はとあるバラエティー番組にレギュラー出演していた。お笑いもよく扱う番組で、ある時、若手芸人の一挙紹介企画があった。

・売り出し中の芸人さんが数十組集められ、ゴングショー形式で次から次にネタを披露していく。その中に「猿岩石」というコンビがいた。「コンビニ店員と客」っていう設定の、今でいうとサンドウィッチマンぽいコントをやっていて、結構面白かった。たまたま控え室で隣に座っていて少し話したが、二人ともすごく腰が低い好青年だった。

・ただテレビの現場での、売れてない芸人さんの扱いはなかなか過酷なのだった。みんなお茶も弁当もなしで7、8時間を拘束され控え室とスタジオを行ったり来たりしながらリハから本番までをこなしていた。ディレクターさんに一人、特に気性の荒い人がいて、猿岩石の二人は移動にちょっともたついた時にものすごい勢いで叱られた。大声でどなりつけられ、背中をどつかれていた。

・言うまでもなくその二人は数年後『進め!電波少年』という番組の大陸横断ヒッチハイク企画で一躍ブレイクする。電波少年で猿岩石は「テレビ初出演」ということになっていたが、まあそういうものだろうと思う。

・面白かったのは、ヒッチハイクから戻ってきて、一躍国民的スターとなった(当時の人気はそりゃすごかった)二人が、この同じ番組に、今度はゲストとして呼ばれたことである。

・偶然また同じ控え室になった。二人の腰の低さは以前と変わらなかった。「お久しぶりですね」と声をかけると二人揃って「覚えていてくださったんですね」と、ものすごくうれしそうな顔をする。
「前に呼んで頂いた時とスタッフさん変わってないのに、みなさん忘れていて」
 いや忘れてるはずはないですよと言いかけたその時、ディレクターさんが入って来た。数年前、同じ場所で二人を口汚くののしった、あの人だ。二人はすぐに立ち上がり、頭を下げた。
「お久しぷりです、以前、若手芸人の企画の時にお世話になりました」
 その言葉をディレクター氏は聞こえないふりをして
「初めましてぇ!」
 と大声で言って、二人より深く、頭を下げた。

2018.09.14 |  第521回~

第527回

9月7日「有名人って、結構つらいみたいですよ」


・気持ちのいい人生を送りたいなら有名人より無名人より「中名人」がいいよ、と、30年くらい前に、放送作家の榎雄一郎さんに教えて頂いた。それ以来ずーっと、持て囃されることも忘れ去られることもなく同じくらいの知名度を維持して30年やってきた。有名じゃないからゲス不倫や出会い系バー通いを週刊誌に書かれたりする可能性はない。けど無名でもないから、実績を知って頂いてる場所ではきちんと扱って頂ける。実に快適な、楽しい人生を過ごせている。

・「中名」でいるためにはコツがある。引きこもることだ。

・チャンスがない時にまでばたばた動き回る人は、それで実力以上に売れてしまう。あるいは失速する。どちらも長い目でみると不幸なことなのだ。そういうことを避けるためには、「つまらない時は何もしない」ことだ。3年間仕事がないなら、3年間引きこもって、眠る。

・クワガタを飼っているのだけどこの昆虫は幼虫期の後、1ヶ月サナギの状態で過ごし、それから脱皮して、成虫の状態になってからなんと1年そのままじっとしている。動く必要がないなら、動かないのである。ゾウムシも飼っているが、こいつらはもっとすごい。幼虫はクリやドングリの実の中で育ち、秋になってその実が地面に落ちると、中から出てきて今度は地面に潜ってサナギになる。面白いのはここからだ。

・サナギの期間に1年単位の個体差があるのだ。翌年の春に成虫になって土から出てくる個体もいるが、その翌年まで眠っている個体も、さらにその次の年にようやく出てくるものもいる。温度や湿度などから環境の変化を察知し、「今年はクリやドングリが不作になりそうだ、外に出てもいいことはないぞ、もう1年寝るか」なんて判断しているようなのだ。

・「今だ」と思い動きはじめる時期が、それぞれ違う。発生にばらつきが出ることによって、環境が混雑しない。突発的な異常気象や天変地異などによる全滅を防ぐことができるのではないかと推測する。

・そんなふうに、時間を一時停止したり早送りしたりすることが、生物にとって重要な能力である。種の全体で一元的な「時間」を決めそれに従うことにしたせいで、人類だけはとても苦しい生き方をせざるをえなくなっている。

・生き物はなぜ生きるのか。生きるためだ。個体として生きのび、種として子孫を残す。つまり、情報として「長続きする」ことが最大の仕事なのである。

・新陳代謝し、防衛し、攻撃する。そんな活動は、DNA情報をガードする、あるいはバックアップコピーするために必要なことである。天敵に食われないよう、腐敗しないよう。しかし、情報がダメージを受ける危険性が低いなら、あたふた動き回るのはかえって損なのだ。じっとしていた方がいい。

・何の話だっけ。僕がいかに無駄な時間を早送りしているか、その方法についてだ。暇な時、チャンスがない時は、ひたすら引きこもって、じっと時間をやり過ごせばいい。重要なのは、この間に老化しないことだ。僕の場合は体液同調水に浸かったまま眠る。体温を下げ20度程度に維持できれば、もっといい。ただしこの方法はまだ医学的な裏付けはないので他人に推奨はしない。

・無名から中名ではなく有名になりたい人にも、ひきこもり=サナギの期間を調整することを薦める。あなたには才能があるかもしれないが、それが時代に合っているかどうかは、運次第なのだ。ただし、合っていないなら、自分のターンが来るまで、待てばいい。20年か30年待てば、絶対にチャンスが来る。それまで、若いままでいればいいというだけのこと。

2018.09.07 |  第521回~

第526回

9月1日「1秒でも早く」 ・21世紀も深まってまいりました。今回は緊急の告知です。取り急ぎ、お知らせしておきたい。仕事とか勉強とかしてる場合ではない。1秒でも早くやっておいた方がいいことがある。いますぐに。この文章を読ん […]

2018.09.01 |  第521回~

第525回

8月25日「中野ブロードウェイ都市伝説 #11『メーラーデーモン』」 ・ドクター中松はプールで潜水して考えを練るそうだ。酸欠状態つまり生命の危機の時にこそ、素晴らしいアイデアが浮かぶという。 ・僕はその域には達していない […]

2018.08.25 |  第521回~

第524回

8月17日「死なないエネルギー、生きるエネルギー」 ・昭和の時代は子供が死にまくっていた。無理を承知の高度成長の裏にいろいろな危険があった。交通戦争、公害、凶悪犯罪。急ごしらえの新興住宅地は自然災害の備えも不十分だった。 […]

2018.08.17 |  第521回~

第523回

8月10日「家庭用ゲームVSスマホゲーム」 ・ゲームはもともと極めて商業的なコンテンツとしてスタートしたものだ。最初は誰も文化だなんて思ってなかった。その反動として90年代あたりから作家性が尊ばれるようになったのは良いこ […]

2018.08.10 |  第521回~

第522回

8月4日「レトロゲームとクラシックゲーム」 ・”レトロゲーム”って言葉はよく使われているけど、それって正確にはいつ頃のゲームのことなのか。 ・僕は70年代末のアーケードから80年代のファミコンのあ […]

2018.08.04 |  第521回~

第521回

7月28日「脳の飽食」 ・僕は「了解です」「了解しました」などの言い回しをよく使うのだけど、ある時期から「”了解”って言葉は失礼なんですよ」としたり顔で忠告してくる人々が次々と現れておどろいた。調べてみたらすぐにわかった […]

2018.07.28 |  第521回~

第520回

7月20日「編集者のクリエイティビティー」 ・マンガ家や小説家がネットに活動の場を以降していく流れが加速していく。そこで問われるのが、出版社の役割だ。特に読者側がこれまであまり知ることがなかった「編集者」のクリエイティビ […]

2018.07.20 |  第511回~