検索
新着
ニュース
エンタメ
ライフ
仕事
恋愛・結婚
お金
スポーツ
グラビア
サブスク
トップ
日刊SPA!PLUS
大阪府警機動隊員の「土人」発言に沖縄県在住者として言いたいこと
2016年10月24日
大阪府警機動隊員の「土人」発言に沖縄県在住者として言いたいこと
惠隆之介
<文/ジャーナリスト 惠 隆之介>
沖縄島の米軍基地
大阪府警派遣機動隊隊員による「土人」「シナ人」発言
沖縄県東村高江の米軍北部訓練場付近で10月18日、大阪府警機動隊隊員2人が、米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)移転建設に反対する活動家たちと対峙した際、それぞれ「土人が」「だまれ、こら、シナ人」と発言したという。 通常は本件のような事案の際は本部長注意であるが、大阪府警は21日、二人に戒告の懲戒処分を行った。前線で活動家たちと対峙する機動隊員の中には、今回の処分への不満が漂っている。 この騒動について、「琉球新報」や「沖縄タイムス」をはじめとするメディアは、「抗議する市民に対する沖縄人差別」と、あたかも一般の沖縄県民が県外から来た警察官(機動隊隊員)に虐げられているかのごとく報道している。だが、沖縄2紙の報道の偏向ぶりを知る私には、いつものように“沖縄県”対“本土”という対立構図をつくり出そうという意図が見えてならない。 以下、沖縄在住の県民としての視点から、今回の騒動について述べてみたい。
米軍基地返還のためのヘリパッド移設工事になぜ反対するのか?
そもそも、ヘリパッド移設工事を移設反対派は「新基地建設」と喧伝しているが、ウソである。実際は7800haの北部訓練場の北半分を年内に返還するため、同地域に設置されていた6カ所のヘリパッドを残り南半分に移設する必要がある。2カ所は既に完成しており、残る4カ所を建設移設する必要があるのだ。これを移設反対派が阻止することから混乱が生じている。 反対派は工事車両の通行を妨害し、また作業員の活動を阻止しようとしている。彼らは高江の公道で勝手に通行車両を止めて工事関係者をチェックしている。そのため、地元民の生活にも支障を来しており村民の不満も高まっているのだ。しかも活動家の中には県外から来た者や朝鮮半島から来ている外国人もいるのだ。 私は8月、たまたま通りがかった高江地区で通行妨害を注意している機動隊員一人が、反対派に包囲され、罵詈雑言を浴びせられる光景を目撃した。反対派は機動隊員の帽子をはぎ取り、メガネを奪ったが、県外から派遣されて来たこの隊員は無言で耐えていた。 沖縄県警の機動隊員に至ってはさらなる嫌がらせを受けている。辺野古キャンプシュワブ基地フェンスには横断幕が貼られ、県警機動隊指揮官の写真と氏名が表示されていた。さらにテント小屋には各隊員の氏名、階級が併記された個人写真が掲示されている。非番で家族を伴って買い物中の隊員が活動家と遭遇した際、子供へ危害を加えるぞ、と脅迫もされているのだ。 器物損壊・傷害・公務執行妨害の疑いで移設反対運動のリーダー山城博治容疑者が逮捕されたが、反対派たちは日頃、暴力行為や器物破損活動を平然と行っているにもかかわらず、自分たちの行為は棚に上げて、ここぞと言わんばかりに「沖縄人差別」と騒ぐのはいかがなものか。
沖縄県警だけでは沖縄県の秩序を守れないという事実
また、在沖米軍軍人とその家族も、基地ゲート前で活動家らが行うヘイトスピーチや嫌がらせに反感を募らせている。活動家らは米軍関係者の運転する車輌の通行を妨害し、「F●●k!」を連呼、中指を突っ立てて卑猥な言動をくり返している。米軍家族の子女はあまりに異様な光景に泣き出す始末である。 米軍の友人に今回の「土人発言騒動」を説明したところ、「信じられん!」と絶句した。「日本の警察は活動家の言いなりか? 処罰を受ける対象はまずこの左翼テロリストたちではないか?」と語気を強めて言った。 沖縄県議会は今週、県外応援機動隊の撤収決議を行う。万一本件が実現すれば、沖縄県警単独では基地反対派を制することは不可能となろう。 平成2年11月、県内暴力団抗争が激化し、警戒中の県警警官二人が暴力団に射殺されたことがあった。警察庁はこのとき九州管区から合計500人の機動隊を沖縄に派遣し、約2カ月かけて組員を徹底検挙、鎮圧しているのだ。当時街は戒厳令下のように緊迫していたが、多くの県民は、この時の県外の機動隊の命がけの応援に感謝していた。 最後に黙々と任務を遂行する機動隊諸兄に対し、良識ある沖縄県民の一人として感謝と敬意を表したい。
【惠隆之介(めぐみりゅうのすけ)】
ジャーナリスト。1954年沖縄コザ市生まれ。防衛大学校管理学専攻コース卒。海上自衛隊幹部候補生学校、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。退官(二等海尉)後、琉球銀行勤務。米国務省プログラムにて米国で国際金融等研修。著書に『
海の武士道DVD BOOK
』『
沖縄が中国になる日
』『
マンガ海の武士道
』(以上、育鵬社)、『
沖縄よ、甘えるな!
』(WAC)、『
いま沖縄で起きている大変なこと
』(PHP研究所)ほか、多数。
惠隆之介
⇒日刊SPA!PLUS 記事一覧に戻る
『
マンガ 海の武士道
』
大きな感動を呼んだ戦場の秘話、待望の漫画化!
おすすめ記事
Tweet
日刊SPA!の人気連載
メンズファッションバイヤーMB
振り返れば青学落研
誰が為にか書く~北関東の山の上から~
マネー(得)捜本部
インタビュー連載『エッジな人々』
ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地
ファストファッション、全部買ってみた
無敵ちゃんと隣のおっさん
少年インザフッド
連載一覧を見る
ハッシュタグ
PLUS
デモ
マスコミ
抗議活動
沖縄
米軍
米軍基地
高江
Tweet
おすすめ記事
24時間更新
人気ランキング
「妻は63歳、夫は31歳」32歳の“年の差婚”で「どうせ介護で捨てられるよ」アン...
2025年03月20日
“ノロノロ運転”で後続車を詰まらせる軽自動車が急停止。困った男性が運転席で見た“...
2025年03月19日
小学校教員の32歳女性がカラダの関係を持った“独身男性”を運動会で目撃…後日届い...
2025年03月19日
「買ってはいけないユニクロ」最新ワースト5。かつての“名作”も競合ブランドに追い...
2025年03月19日
「18歳になった日に刺青を入れました」家族全員に刺青がある女性が、“大切なもの”...
2025年03月21日
新着記事
漫画家・永田カビによる「心」と「お腹」を満たす最新作 『元らくがきとワンルーム暮らし』<1話目>
2025年03月26日
ユニクロU、春夏の新作「1990円では絶対に実現できないクオリティ」「上下で5000円未満は格安すぎ」完売前に買っておきたい“6つの最高傑作”
2025年03月26日
中年男性が「履いてはいけない」靴。40代以上には“残酷なほど似合わない”憧れのアイテムも
2025年03月26日
“ただ立っているだけではない”現役ドアマンに聞いた、過酷な実態「体力も神経もすり減る仕事です」
2025年03月26日
ホスト初日の売り上げが「4000万円」歌舞伎町で話題の“二刀流ホスト”を直撃「ホストをやる以上は日本一を目指したい」
2025年03月26日
孤独のグルメ~食文化応援企画~
ビール2:黒ビール1。人気の『マルエフ』を「ワンサード」で飲んでみた!
2023年11月20日
PR
美味しいビールで酷暑を乗り切ろう!孤独のグルメ原作者が熊本の名店で『マルエフ』を味わう
2023年08月10日
PR
『孤独のグルメ』のオリジナル デジタルトレカがもらえる!「ひとり飯をみんなで楽しむプロジェクト」の第一弾がスタート!
2022年12月02日
HARBOR BUSINESS Online 一覧
中国「秘密警察」が日本人にも接触。日本のカルト教団なども監視か
2024年04月04日
サッカーW杯日朝平壌決戦の行方。カギは定期便と人的往来再開か
2024年03月06日
政治の犠牲になった能登地震<著述家・菅野完>
2024年02月09日
勝SPA!一覧
“ヘソ1.5倍”が話題に!新台「真・北斗無双」は“継続率84%&オール1500発”の一撃スペックで登場
2025年03月23日
リアルスティール産駒は“ポテンシャルの塊”…今から目が離せない「5頭の2歳馬」を元競馬誌編集長が解説
2025年03月22日
最大約10500発+「おかわり」機能搭載!「Pうまい棒2」が進化を遂げて登場
2025年03月21日
はじめての副業一覧
フリーランスの王・株本祐己「フリーランスが活躍できる社会にしたい」。“フリーランス集団”というまったく新しい組織の形
2025年03月25日
女性用風俗を副業にしたら……20代消防士が「3万円の実技研修」で学んだエロ演出と裏オプの実態
2025年03月21日
6歳の子供でも稼げるAI時代、副業YouTuberが明かす「将来生き残るための4箇条」
2025年03月14日
募集
女子SPA!「佐伯ポインティ新連載」不倫にまつわるお話を聞かせてくれる女性を募集中!
2024年06月28日
<扶桑社 採用情報>のお知らせ
2024年03月12日
週刊SPA!編集部 編集者募集!
2023年03月08日
インフォメーション
神山みれいのグラビア設定を視聴者が決める!【グラビア生会議 4/24(木) 21:00~】MC:岸明日香
2025年03月25日
見る者みんなを幸せにしちゃう!デジタル写真集で亀澤杏菜が”アゲBODY”を披露!
2025年03月18日
ニャンとカワイイ衣装だニャン! デジタル写真集でセクシーキャット・斎藤恭代がお目見え!
2025年03月10日
週刊SPA! 最新号
週刊SPA!4/1・8合併号(3/25発売)
澄田綾乃
Amazonで購入する
定期購読する
バックナンバーはこちら
SPA! 最新の関連書籍一覧
元らくがきとワンルーム暮らし
宇宙から見る地球 観測衛星が切りひらく驚きの未来
大阪府警機動隊員の「土人」発言に沖縄県在住者として言いたいこと
沖縄島の米軍基地
大阪府警派遣機動隊隊員による「土人」「シナ人」発言
沖縄県東村高江の米軍北部訓練場付近で10月18日、大阪府警機動隊隊員2人が、米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)移転建設に反対する活動家たちと対峙した際、それぞれ「土人が」「だまれ、こら、シナ人」と発言したという。 通常は本件のような事案の際は本部長注意であるが、大阪府警は21日、二人に戒告の懲戒処分を行った。前線で活動家たちと対峙する機動隊員の中には、今回の処分への不満が漂っている。 この騒動について、「琉球新報」や「沖縄タイムス」をはじめとするメディアは、「抗議する市民に対する沖縄人差別」と、あたかも一般の沖縄県民が県外から来た警察官(機動隊隊員)に虐げられているかのごとく報道している。だが、沖縄2紙の報道の偏向ぶりを知る私には、いつものように“沖縄県”対“本土”という対立構図をつくり出そうという意図が見えてならない。 以下、沖縄在住の県民としての視点から、今回の騒動について述べてみたい。米軍基地返還のためのヘリパッド移設工事になぜ反対するのか?
そもそも、ヘリパッド移設工事を移設反対派は「新基地建設」と喧伝しているが、ウソである。実際は7800haの北部訓練場の北半分を年内に返還するため、同地域に設置されていた6カ所のヘリパッドを残り南半分に移設する必要がある。2カ所は既に完成しており、残る4カ所を建設移設する必要があるのだ。これを移設反対派が阻止することから混乱が生じている。 反対派は工事車両の通行を妨害し、また作業員の活動を阻止しようとしている。彼らは高江の公道で勝手に通行車両を止めて工事関係者をチェックしている。そのため、地元民の生活にも支障を来しており村民の不満も高まっているのだ。しかも活動家の中には県外から来た者や朝鮮半島から来ている外国人もいるのだ。 私は8月、たまたま通りがかった高江地区で通行妨害を注意している機動隊員一人が、反対派に包囲され、罵詈雑言を浴びせられる光景を目撃した。反対派は機動隊員の帽子をはぎ取り、メガネを奪ったが、県外から派遣されて来たこの隊員は無言で耐えていた。 沖縄県警の機動隊員に至ってはさらなる嫌がらせを受けている。辺野古キャンプシュワブ基地フェンスには横断幕が貼られ、県警機動隊指揮官の写真と氏名が表示されていた。さらにテント小屋には各隊員の氏名、階級が併記された個人写真が掲示されている。非番で家族を伴って買い物中の隊員が活動家と遭遇した際、子供へ危害を加えるぞ、と脅迫もされているのだ。 器物損壊・傷害・公務執行妨害の疑いで移設反対運動のリーダー山城博治容疑者が逮捕されたが、反対派たちは日頃、暴力行為や器物破損活動を平然と行っているにもかかわらず、自分たちの行為は棚に上げて、ここぞと言わんばかりに「沖縄人差別」と騒ぐのはいかがなものか。沖縄県警だけでは沖縄県の秩序を守れないという事実
また、在沖米軍軍人とその家族も、基地ゲート前で活動家らが行うヘイトスピーチや嫌がらせに反感を募らせている。活動家らは米軍関係者の運転する車輌の通行を妨害し、「F●●k!」を連呼、中指を突っ立てて卑猥な言動をくり返している。米軍家族の子女はあまりに異様な光景に泣き出す始末である。 米軍の友人に今回の「土人発言騒動」を説明したところ、「信じられん!」と絶句した。「日本の警察は活動家の言いなりか? 処罰を受ける対象はまずこの左翼テロリストたちではないか?」と語気を強めて言った。 沖縄県議会は今週、県外応援機動隊の撤収決議を行う。万一本件が実現すれば、沖縄県警単独では基地反対派を制することは不可能となろう。 平成2年11月、県内暴力団抗争が激化し、警戒中の県警警官二人が暴力団に射殺されたことがあった。警察庁はこのとき九州管区から合計500人の機動隊を沖縄に派遣し、約2カ月かけて組員を徹底検挙、鎮圧しているのだ。当時街は戒厳令下のように緊迫していたが、多くの県民は、この時の県外の機動隊の命がけの応援に感謝していた。 最後に黙々と任務を遂行する機動隊諸兄に対し、良識ある沖縄県民の一人として感謝と敬意を表したい。 【惠隆之介(めぐみりゅうのすけ)】 ジャーナリスト。1954年沖縄コザ市生まれ。防衛大学校管理学専攻コース卒。海上自衛隊幹部候補生学校、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。退官(二等海尉)後、琉球銀行勤務。米国務省プログラムにて米国で国際金融等研修。著書に『海の武士道DVD BOOK』『沖縄が中国になる日』『マンガ海の武士道』(以上、育鵬社)、『沖縄よ、甘えるな!』(WAC)、『いま沖縄で起きている大変なこと』(PHP研究所)ほか、多数。大きな感動を呼んだ戦場の秘話、待望の漫画化!