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音楽コラボイベントの新しい形「ツーマンミュージカル」をカリスマドットコムとザ・チャレンジが披露

 世の中にはさまざまな形のコラボがある。2015年12月25日のクリスマス、渋谷のライブハウスで音楽イベントとしては斬新なコラボ企画が披露された。なんと、ラップユニットとバンドが「ミュージカル」(厳密に言えば音楽劇)に挑戦したのだ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1017921
カリスマドットコム&ザ・チャレンジ

恋人役を演じるゴンチ(左)と沢田チャレンジ

 この企画に挑んだのは、カリスマドットコムとザ・チャレンジ。ツーマンライブでバンドやユニットがコラボすることは数あれど、たいていの場合は1、2曲共演して終わり、というものだ。だが、「普通にツーマンをやっても面白くない」という発想から、カリスマドットコムがザ・チャレンジのリーダー、沢田チャレンジに「企画を考えといて」と発注。沢田が提案した何案かのうち、「ミュージカル」という選択肢にカリスマサイドが「これしかないっしょ」と即断したという。  とはいえ、演劇経験者がいるわけでもないミュージシャン7人にどれほどのことができるのかと思いきや、寸劇とライブが交互に展開する新しいエンターテインメントで、約2時間半、オールスタンディングの客を飽きさせることなく満足させたのは見事というほかない。 「ツーマンミュージカル Christmas Kiss 2015」と題されたこの作品は、ゴンチ(カリスマドットコムDJ)と沢田チャレンジのカップルがデートをしているシーンから始まる。そこにゴンチの後輩という設定のいつか(カリスマドットコムMC)が偶然通りかかる。実はいつかと沢田チャレンジはかつて恋人同士で……と、クリスマスシーズンの恋愛模様を描いたドラマが展開する。
カリスマドットコム&ザ・チャレンジ

いつかと沢田チャレンジが初めて出合った合コンのシーン

 いつもはステージ上でいつかにイジられているゴンチが、この寸劇ではいつかをイジめたりと、ファンをニヤリとさせる配役の妙などもあったが、なんと言っても寸劇パートからライブパートへの移行がこの企画最大の見せ場。
カリスマドットコム&ザ・チャレンジ

カリスマドットコムのライブパートはいつも通り大盛り上がり

 例えば、一番最初の寸劇からライブへの転換では、チャレンジオノマック(ザ・チャレンジ)がいつかを電話で口説く「西麻布で会えない? 会いたいんだ。会いたくて会いたくて仕方ないんだ」というセリフから、ザ・チャレンジの「会いたい 会いたい ちょー会いたい」という曲の演奏が始まる。  その次はいつかとゴンチが働くオフィスで、上司が「働きなさい。君たちの代わりなんて星の数ほどいるんだよ」と嫌みをいうと、いつかが「なんもしない 突っ立てるだけで 威張るマジでクーズ」とカリスマドットコムの曲「イイナズケブルー」の一節を言い放ち、そのまま「イイナズケブルー」の演奏が始まる。 カリスマドットコム&ザ・チャレンジ セリフ自体が楽曲になっているわけではないので、厳密にはミュージカルではなく音楽劇と呼ぶべき作品だが、このようにそれぞれのユニット、バンドの曲を絶妙に物語上に配置しつつ、寸劇パートとライブのパートをスムースに繋ぐ構成の妙が光った。 カリスマドットコム&ザ・チャレンジ 脚本・演出の藤澤朋幸氏は、「脚本を書いていったら『照明はどうしましょうか』『ここはどう演技しましょうか』と言われて、あ、演出もするんだと(笑)」と思わぬ形でこの作品に深く関わるようになったエピソードを話してくれたが、全体での練習日数はわずか3日。それもそれぞれ3時間ぐらいだと聞いて驚いた。というのも、思っていた以上に演技がしっかりしていたので、もっとみっちりと練習期間を設けたのかと思っていたのだ。 「個別の練習はかなりしたんじゃないですねぇ。特にゴンチさんはすごく頑張ったと思いますよ」と藤澤氏。そこでゴンチにどれぐらい練習したのか聞いたら「お風呂場でみっちりやった」との答え。実際、本番前も台本を何度も確認していたが、今回はゴンチの努力が光っていた。これには普段はゴンチに対して辛口ないつかも「すごい頑張って練習したと思いますよ」と珍しく高評価。  さて、演技というものを初体験したカリスマドットコムの2人の感想は……。 「恥じらいを捨てるっていうのが難しかった」(ゴンチ) 「難しかったです、めっちゃ。他の人たちはキャラがめっちゃ立っているのに私の役はよくわからない。普段の私でもないし、演技って難しいなって思いました。でもまあ、女優ではないんで(笑)」(いつか)  とは言うものの、カリスマドットコムもザ・チャレンジも想像以上の演技を見せたのは先に述べた通り。落語の世界には「鹿芝居」という、普段は俳優ではない落語家が演劇をするという出し物がある(ハナシカさんが芝居をするので「鹿芝居」という)。それと同様に演技のプロではないものの、ミュージシャンでありながら客の前では一定以上のクオリティの演技ができる、というのはやはり日常的にステージに立っている表現者ならではのものなのだろう。
カリスマドットコム&ザ・チャレンジ

アンコールでは、カリスマドットコムとザ・チャレンジが競演。「HATE」のバンド演奏つきはかなりのクオリティ

カリスマドットコム&ザ・チャレンジ

カーテンコール

 さて、今回は「お芝居」というチャレンジをしたカリスマドットコムとザ・チャレンジ。カリスマドットコムは2016年1月に初の書籍『がめつくストロング~毒舌OLラッパー、世間をぶった斬る!』を出版。さらに3月2日にはニューアルバム『愛泥C』を発表する。そして、ザ・チャレンジも1月20日にニューアルバム『ザ・チャレンジランド』を発表。2016年もそれぞれの「チャレンジ」は続いていくようだ。 取材・文/織田曜一郎(週刊SPA!) 撮影/橋本塁
がめつくストロング~毒舌OL、世間をぶった斬る!

OLだって上司「ぶっ殺す」と思ってます♥


【カリスマドットコム情報】
カリスマドットコム、初の書籍『がめつくストロング~毒舌OL、世間をぶった斬る!』は2016年1月15日発売。

2016年1月16日には渋谷HMV BOOKS TOKYOにてトークショー&サイン会も
http://www.hmv.co.jp/st/event/23072

ニューアルバム『愛泥C』も2016年3月2日に発売
http://official-charisma.com/news/detail_1614/

【ザ・チャレンジ情報】
ザ・チャレンジのニューアルバム『ザ・チャレンジランド』は2016年1月20日発売
http://thechallenge.jp/disco/index.php

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