“清原に覚せい剤を渡した”元巨人・野村貴仁が手を染めた、球界に蔓延する「グリーニー」とは
2月2日に清原和博容疑者が薬物所持で逮捕された。その後、元巨人時代の同僚である野村貴仁元選手の証言によると、彼が現役時代にも薬物を使用していたことが判明。渦中の野村氏は、オリックス時代に外国人選手から「グリーニー」をもらったことがきっかけで服用を始め、引退後に覚せい剤取締法違反で逮捕された人物だ。グリーニーとは、いったいどのようなものなのだろうか?
グリーニーは、アンフェタミンが主成分の興奮剤で、日本の法律上では覚せい剤として指定されている。緑色の錠剤であることからこう呼ばれ、吸引やコーヒーなどに混ぜて飲むことで服用するものだ。中枢神経への強い刺激による集中力の向上や疲労抑制効果が主な使用目的とされている。MLBでは1940年代よりグリーニーが流行し出したと考えられており、9代目MLBコミッショナーであったバド・セリグ氏は、1958年にミルウォーキー・ブルワーズのクラブハウスで初めてグリーニーについて聞いた、と証言している。
野村氏がグリーニー服用を告白した当時の『日刊ゲンダイ』誌上をたどってみると、野村氏がグリーニーに出会ったのは1996年、オリックス在籍中のこと。外国人選手に手渡されたカプセルを開け、中身を半分コーヒーに溶かして飲むと、あっという間に投球の準備は万全になったという。
2002年、メジャーのブルワーズに移籍した野村氏は、練習中にある選手が注射器を尻に刺して、肩や肘の炎症を抑えるためのボルタレンを服用している光景を目の当たりにしている。そしてメジャーで野村氏がグリーニーの服用を続けていたある日、抜き打ちの尿検査をされ、野村氏の尿からはアンフェタミンが検出。クビを覚悟したが、処分は厳重注意という軽いものだったと回想している。
MLBは日本プロ野球と異なり、1シーズン162試合だ。さらにチームが勝ち進めば、ワールドシリーズまでの試合数は最低でも11試合は出場する必要がある。そのためグリーニーのような薬物は、選手の疲労抑制に繋がるという側面から、MLB界で表舞台に決して現れないグレーゾーンだった。
しかし、2006年にセリグ氏はMLBに渦巻く薬物の影を取り払おうと動き出す。当時、バリー・ボンズ氏(元サンフランシスコ・ジャイアンツなど)らのアナボリックステロイドやヒト成長ホルモンの使用疑惑が社会問題になっており、結果としてアンフェタミン類の使用は野球界全体で禁止されることに。
疲労回復などの効果があり、コーヒーに混ぜて飲むことが多いとされるグリーニー。真夏にホットコーヒーを飲んでいた姿を目撃されている清原容疑者も、このグリーニーから“覚せい剤の誘惑”に陥った可能性を指摘されている。
一方で選手からは意外な声も上がっている。2006年4月1日のニューヨークタイムズ紙では、エリック・チャベス氏(元オークランド・アスレチックスなど)が「グリーニーを禁止することが良いことではない、と言いたい訳ではないけれど、選手たちは絶対に代用品としての何かを探すようになるだろう」とコメントしている。実際、近年はレッドブルやゲータレードといったエナジードリンクがダグアウトでも重宝されており、グリーニーの代用品としてエナジードリンクが利用されているとも考えられる。
歴史的には、1910年代からMLBではコカ・コーラが愛飲されており、初のMLB殿堂入りを果たしたタイ・カッブ氏は広告塔として起用されていた。ご存じの方も多いとは思うが、昔のコカ・コーラはまだ薬だったのだ。チャベス氏の「1シーズン通して普通に活躍して、体が普通に動くって考えるのは、むちゃくちゃだよ」という同紙での発言は、そうした点からも非常に興味深い。
現役時代から怪我に悩まされていた清原容疑者や、野村元選手が薬物に手を染めてしまったのは、まるで私たちがコカ・コーラやレッドブルなどのエナジードリンクを飲むように、身体的パフォーマンスの向上という甘い誘惑が動機だったのかもしれない。 <取材・文/石橋和也>
グリーニーは、アンフェタミンが主成分の興奮剤で、日本の法律上では覚せい剤として指定されている。緑色の錠剤であることからこう呼ばれ、吸引やコーヒーなどに混ぜて飲むことで服用するものだ。中枢神経への強い刺激による集中力の向上や疲労抑制効果が主な使用目的とされている。MLBでは1940年代よりグリーニーが流行し出したと考えられており、9代目MLBコミッショナーであったバド・セリグ氏は、1958年にミルウォーキー・ブルワーズのクラブハウスで初めてグリーニーについて聞いた、と証言している。
野村氏がグリーニー服用を告白した当時の『日刊ゲンダイ』誌上をたどってみると、野村氏がグリーニーに出会ったのは1996年、オリックス在籍中のこと。外国人選手に手渡されたカプセルを開け、中身を半分コーヒーに溶かして飲むと、あっという間に投球の準備は万全になったという。
2002年、メジャーのブルワーズに移籍した野村氏は、練習中にある選手が注射器を尻に刺して、肩や肘の炎症を抑えるためのボルタレンを服用している光景を目の当たりにしている。そしてメジャーで野村氏がグリーニーの服用を続けていたある日、抜き打ちの尿検査をされ、野村氏の尿からはアンフェタミンが検出。クビを覚悟したが、処分は厳重注意という軽いものだったと回想している。
MLBは日本プロ野球と異なり、1シーズン162試合だ。さらにチームが勝ち進めば、ワールドシリーズまでの試合数は最低でも11試合は出場する必要がある。そのためグリーニーのような薬物は、選手の疲労抑制に繋がるという側面から、MLB界で表舞台に決して現れないグレーゾーンだった。
しかし、2006年にセリグ氏はMLBに渦巻く薬物の影を取り払おうと動き出す。当時、バリー・ボンズ氏(元サンフランシスコ・ジャイアンツなど)らのアナボリックステロイドやヒト成長ホルモンの使用疑惑が社会問題になっており、結果としてアンフェタミン類の使用は野球界全体で禁止されることに。
疲労回復などの効果があり、コーヒーに混ぜて飲むことが多いとされるグリーニー。真夏にホットコーヒーを飲んでいた姿を目撃されている清原容疑者も、このグリーニーから“覚せい剤の誘惑”に陥った可能性を指摘されている。
一方で選手からは意外な声も上がっている。2006年4月1日のニューヨークタイムズ紙では、エリック・チャベス氏(元オークランド・アスレチックスなど)が「グリーニーを禁止することが良いことではない、と言いたい訳ではないけれど、選手たちは絶対に代用品としての何かを探すようになるだろう」とコメントしている。実際、近年はレッドブルやゲータレードといったエナジードリンクがダグアウトでも重宝されており、グリーニーの代用品としてエナジードリンクが利用されているとも考えられる。
歴史的には、1910年代からMLBではコカ・コーラが愛飲されており、初のMLB殿堂入りを果たしたタイ・カッブ氏は広告塔として起用されていた。ご存じの方も多いとは思うが、昔のコカ・コーラはまだ薬だったのだ。チャベス氏の「1シーズン通して普通に活躍して、体が普通に動くって考えるのは、むちゃくちゃだよ」という同紙での発言は、そうした点からも非常に興味深い。
現役時代から怪我に悩まされていた清原容疑者や、野村元選手が薬物に手を染めてしまったのは、まるで私たちがコカ・コーラやレッドブルなどのエナジードリンクを飲むように、身体的パフォーマンスの向上という甘い誘惑が動機だったのかもしれない。 <取材・文/石橋和也>
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