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美女ブロガー・安全ちゃん「初めてもらったプレゼントはグッピーの死骸でした」

グッピーの死骸 生まれて初めてもらったプレゼントが「グッピーの死骸」だった私に、世の女子代表ヅラしてクリスマスプレゼントを語る資格なんてない……。  中学生の頃、塾で同じクラスだった男の子に帰り際声をかけられ、無言で紙袋を手渡された。これってもしかしてプレゼントなのでは!? 学校も違う、ほとんど知らない男子からの唐突な贈り物にドキドキしながら封を開けると、中にはなんと、瓶詰めされたグッピーの死骸が!  グッピーは黒いフタつきの小ビンの中で憂いに沈み、濁った瞳で無念を訴えている。尾びれは退色しボロボロで、小瓶の中に満たされている液体はうっすら黄色っぽく濁って見えた。  袋の中にはほかに手紙も入っておらず、意図が全くわからない。なんとか推測しようと知恵を絞っても、邪術の一種か快楽殺人者の殺人予告としか思えず、ただひたすら不気味なばかり。もしかしてイジメ? でもこんな猟奇的なやり口では、むしろ嫌がらせした側がサイコ野郎としてイジメの対象になりかねない。  だいたい、グッピーが漬けられている謎の液体は何なんだろう? よくよく見ると、このグッピーは単なる死体ではなく、なげやりな製法で作られた標本である可能性が高い。贈り主の男子はどちらかというと成績が良いメガネ男子であったため、もしかしたら生き物大好き少年だったのかもしれない。  これが、もしホルマリン漬けなのだとしたらゴミとして捨てることはできないけれど、ただの水だった場合ビンの中で腐敗する可能性が高い。なにより、部屋においておくと確実に呪われそうなので一刻も早く捨てたい……。そんな葛藤のなか、結局自分がどうしたのかはよく覚えていない。おそらく、普通に燃えないゴミに出したのだと思う。  それにしても、当時の私は動物虐待、サバト、死体収集癖などとは一切無縁の健康優良女子だったというのに、なぜそんなプレゼントを……。完全にトラウマ化してしまい、それからしばらくは送り主不明の郵便物等に過剰な恐れを抱く日々を過ごした。  生まれて初めてもらったプレゼントが魚の死骸だったせいで星回りが悪くなったのか、私のプレゼント運からはロマンチック要素が完全に消失。その後のクリスマスも、健康ドリンクや宇宙生物のぬいぐるみ、北海・海の幸セットなど、アンチ・ロマンチックの極北とでもいうべきプレゼントばかりを頂いている。  とはいえ、健康ドリンクは滋養強壮に役立ち、ぬいぐるみは飼い猫が気に入っているので、頂戴したことには感謝の言葉しかない。北海・海の幸セットに至っては、プレゼントにおけるロマンチック要素の必要性さえ疑わしくなるほどの圧倒的なおいしさに大感謝だった。ありがとうございます。 ※【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/112370 「“俺”とのデートが私へのご褒美?」 安全ちゃん【安全ちゃん】 全世界の貧困ガールの蜂起をよびかけるべく、’08年よりブログをスタート。現在、雑誌『GINZA』『ダ・ヴィンチ電子ナビ』『ウェブマガジン幻冬舎』等で連載中 ― [男を劇的に下げたプレゼント]大全【7】 ―
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