学校給食を放射能測定する自治体リスト

子供たちの内部被曝を心配する母親たちの声を受けて、学校給食の放射能測定を独自に行う自治体が続出している。測定器の性能や測定方法、対象となる食材、検出限界値などは自治体によってそれぞれ異なる。さらに、長野県松本市や茨城県常総市のように、国の暫定基準値500Bq/kgよりも低い独自の基準値を設ける自治体も現れた。

◆風評被害は測定結果を公表してこそ抑えられる

東大・早野龍五教授は「福島県をはじめ空間線量の高い地域ほど、給食による内部被曝量を厳密に測定しなければならない」と主張する。

福島市が川口市と同じベラルーシ製測定器を導入、11月1日から測定を始めたものの、首都圏に比べて福島県内自治体の動きは鈍い。例えば福島県伊達市は、「国や県の適切な管理のもとに流通している食材を給食に使用しています」と、独自検査については慎重だ。市長も「風評被害に苦しむ生産者に対する思いも共有していかなければならない」と語っている。

これに対して「まったく逆」と早野教授は語る。「測定した結果を公表することによってこそ、風評被害も抑えられる。そのことで住民の信頼を得られ、有効な内部被曝対策にも繋がるのです」


<給食の放射能測定を行う自治体の例>
●福島市(福島県)
ベラルーシ製の放射能測定器4台を導入。小中学校と特別支援学校計73校の食材3~6品を測定。給食センターは週1回、単独給食実施校は月2回程度。

●川口市(埼玉県)
福島市と同様の測定器(130万円)を3台購入。全小中学校71校を対象に使用量の多い食材3~6品目を南平学校給食センターで前日検査。検出限界値は20Bq/kg。

●つくば市(茨城県)
2つの学校給食センターで毎日、使用食材2~3品目を前日に測定。公立保育所分も測定。日立アロカメディカル製測定システムを導入。検出限界値は30Bq/kg。

●栗原市(宮城県)
使用食材と調理後の給食をガンマ線スペクトロメーターで測定。検出限界値は10Bq/kg。結果は2週間ごとに公表。さらに台数を増やし市民向けの出張測定を計画。

●常総市(茨城県)
小中学校19校と市立・私立の保育施設11か所が対象。日立アロカメディカル製測定システムを導入し、毎日1品を測定。検出限界値30Bq/kgを市独自の規制値に。

●横浜市(神奈川県)
小学校1校を対象に使用予定の全食材を毎日、前日に検査。牛乳・パン・コメは横浜市衛生研究所、それ以外は2つの検査機関に委託。検出限界値は3Bq/kg。

●横須賀市(神奈川県)
小学児童への提供食1食分を、1週間(5日分)ごとに検査機関で事後測定。月1回、3品目ずつの事前サンプリング測定も実施中。検出限界値は1Bq/kg前後。

【早野龍五教授】
東京大学大学院理学研究科。’52年生まれ、専門は素粒子原子核物理学。反陽子ヘリウム原子の研究で’08年度仁科記念賞、’09年中日文化賞を受賞

取材・文/北村土龍 撮影/田中裕司

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