ライフ

遺産相続でコロコロ発言を変える叔父に困ってます【無職・男性・36歳の悩み】

 まず、弁護士に頼んで叔父さんに内容証明を送って、情報を開示させましょう。遺産が1億円を超える場合には、代理人(弁護士)を立てて、民法の基準に従って遺産を得られるように交渉すればいいと思います。  遺産がそれほど多額でない場合(数百万円程度)のときは、こういう交渉をすると弁護士費用を差し引くと、手もとに残るカネがほとんどなくなってしまうので、自分で交渉するしかありません。行政や大学、あるいは弁護士会で、無料法律相談を行っているので、相談してみるとよいでしょう。その場合は、祖母の遺産の根拠となる書類を整理して持っていくと、話が円滑に進みます。  もっとも叔父さんが意地を張って、遺産分割に応じないならば、裁判を起こさなくてはなりません。あなたとお母さんが、言うことがコロコロ変わる叔父さんに振り回されずに、民法で定められた比率の遺産を得たいと強く望むならば、裁判で叔父さんと争うことを考えなくてはなりません。裁判を起こすとなると、弁護士費用として最低でも数十万円が必要になります。  この腹を括ることができないならば、叔父さんの言うなりの額の遺産を受け取ることで満足するか、あるいは遺産を完全に放棄するということになります。私の考えを率直に言うと、無職の人に不労所得が入っても、あまりよい結果にならないという例を多数見ているので、遺産を放棄してしまったほうが、中長期的にはあなたのプラスになると思います。 【今回の教訓】 相続のルールはギブ・アンド・テイク ◆募集 佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。 ⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form(PCのみ対応) 【佐藤優】 ’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』のなど著書多数。最新刊は『90分でわかる日本の危機』
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

◆募集◆
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form

生き抜くための読書術

ウクライナ危機、元首相暗殺事件、コロナ社会、貧困etc. 分断社会を打破する書物とは?

1
2
家族幻想――「ひきこもり」から問う

約70万人ともされる「ひきこもり」の閉ざされた空間で何が起きているのか? 「家族の絆」という神話に疑問を投げかけたノンフィクション。’16年刊

おすすめ記事