この日、ホーガンとサベージはおそろいのイエローのショートタイツでリングに登場し、その友情ストーリーを強く印象づけた。ホーガンがあえてバイプレーヤーに徹したことで、観客の視線はサベージ＆エリザベスの“美女と野獣カップル”に集中した。 　ホーガンとサベージが“対等”の関係であることがこのイベントでプレゼンテーションされたことで、逆説的ではあるが、ふたりのあいだには新たなライバル関係が生じた。 　プロレスでは“友情”と“仲間割れ”はつねにワンセットのドラマになっている。それはビンス・マクマホン・シニアの時代からつづく商品開発の鉄則だった。（つづく） ※この連載は月～金で毎日更新されます 文／斎藤文彦　イラスト／おはつ ※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら（https://nikkan-spa.jp/inquiry）に！　件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。