ウォリアーとスティングの“運命の糸”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第80回
アルティメット・ウォリアーとスティングは奇妙な“運命の糸”にもてあそばれたタッグチームだった。ボディービルとフィットネスのメッカ、カリフォルニア州ベニスビーチの“ゴールド・ジム”にいたふたりの青年が、気がついたらプロレスラーに変身していた。
ウォリアー(本名ジム・ヘルウィグ=のちにリーガル・ネームもウォリアーに改名)はカイロプラクター志望のボディービルダーで、スティング(本名スティーブ・ボーデン)は“ゴールド・ジム”で働くインストラクター。ある日、リック・バースマンという男がジムにやって来てふたりをプロレスに勧誘した。
バースマンは現在、ロサンゼルスでインディー団体を主宰するプロモーターだが、当時は映画俳優のエージェントを名乗っていた。バースマンはプロレスラーの卵を発掘するビジネスをはじめようとしていた。“ゴールド・ジム”へ足を運べば、ハルク・ホーガンやロード・ウォリアーズのような体つきをした若者がいくらでもいた。
“ゴールド・ジム”から選出された5人のボディービルダーたちが往年の名レスラー、レッドが師範をつとめる“バスチェン道場”に送り込まれ、そのなかからウォリアーとスティングだけが最後までトレーニング・セッションに残った。
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