忍び寄る“ステロイド裁判”の黒い影――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第109回
アメリカじゅうのマスメディアが注目した“ステロイド裁判”の公判が開かれたのは、サボリアン医師の自宅にFBIの強制捜査が入ってから1年3カ月後の1991年6月のことだった。
ザホリアン医師の弁護を担当したウィリアム・コストポラウス弁護士は(1)被告はステロイドに関する法改正の事実を知らなかった(2)被告は担当医の責任としてプロレスラーに必要な薬品を処方した(3)被告が必要な薬品を供給しなかった場合、クライアント=プロレスラーはブラックマーケットからリスクの高い薬物を購入する危険性があった、という3点を事件の背景として指摘した。
しかし、マスメディアの関心はこの裁判に“渦中の人”ホーガンが証人として出廷するかどうかの一点だけに集中した。ホーガンが観客のブーイングの標的にされるという事態を回避するため、ビンスは“負傷”を理由にホーガンをリングから遠ざける措置をとった。
ホーガン不在の全米サーキットのメインイベントにラインナップされた試合は、アルティメット・ウォリアー対アンダーテイカーのシングルマッチだった。このカードは意外なヒット商品となった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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