“レッスルマニア8”6万2167人動員――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第123回
“ステロイド疑惑”とその報道ラッシュは、ホーガンの“引退ドラマ”によってあっというまに失速した。ステロイド薬害の後遺症による健康被害を理由にWWEに対する損害賠償の訴訟準備をすすめていた“スーパースター”ビリー・グラハムは、非公開の予審で告訴を断念した。
WWEの役員による“セクハラ疑惑”は、被害者とされる少年の家族が告訴を取り下げ、示談金による和解が成立。“問題の人物”と指摘され、いったんは辞表を提出していたパット・パターソンは数カ月後に職場に復帰した。WWEの“暴露本”の出版をもくろんでいたデビッド・シュルツは、この企画に興味を示す出版社をみつけることができず、そのままマスメディアの視界からフェードアウトしてしまった。
4・5“レッスルマニア8”はインディアナ州インディアナポリスのインドア・スタジアム、フージャードームに6万2167人の大観衆を動員(興行収益125万ドル)。PPV契約世帯数は30万世帯を突破した。ホーガンの“引退ドラマ”はまさにウルトラCだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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