更新日:2017年11月30日 15:26
スポーツ

“運命のサバイバー・シリーズ”プロローグ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第133回

 WWE世界王者ブレット、インターコンチネンタル王者マイケルズは“サバイバー・シリーズ”以後にオンエアされる予定のテレビ番組にチャンピオンとして登場した。この集中TVテーピング・システムは“生中継”と“録画”の映像コンテンツにときおり矛盾が生じるという欠陥を抱えていた。  PPVよりも先に録画ずみのテレビ番組がPPVよりもあとにオンエアされるという“時差シフト”は1980年代からのなごりで、この時代のWWEの連続ドラマは現在とはくらべものにならないくらいゆっくりしたリズムで動いていた。TVショーのソープオペラ化がいっきに加速するのは、1993年1月に新番組“マンデーナイト・ロウ”の全米生中継がスタートしてからのことだった。  “サバイバー・シリーズ92”には全8試合がラインナップされた。会場売りのパンフレットの表紙にプリントされていたのはブレット、マイケルズ、“マッチョマン”ランディ・サベージ、“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングの4人の顔写真。ダブル・メインイベントはサベージ&ヘニング対フレアー&レーザー・ラモンのスペシャル・タッグマッチ、ブレット対マイケルズのWWE世界戦の2試合だった。  首の故障を理由に引退宣言し、マネジャー業に転向していたヘニングがこの日、1991年8月以来、1年3カ月ぶりに戦列に復帰。サベージと一夜限りのタッグチームを結成して“旧友”フレアーと対戦した。ヘニングにとっては事実上の引退試合となるはずだった前年の“サマースラム”で、ブレットとヘニングはWWE史に残る名勝負を演じた。
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サベージ&ヘニング対フレアー&ラモンのタッグマッチは…
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