更新日:2017年11月30日 15:26
スポーツ

“運命のサバイバー・シリーズ”プロローグ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第133回

 サベージ&ヘニング対フレアー&ラモンのタッグマッチは全8試合中、第4試合という“前座”のポジションにレイアウトされ、サベージ&ヘニングの反則勝ちといういささか消化不良の結果に終わった。どうやらこの試合は、ヘニング対フレアーのシングルマッチというもうひとつのドラマへの予告編になっていた。  ブレット対マイケルズのタイトルマッチは、WWE世界王者対インターコンチネンタル王者の頂上対決というよりはWWEの次世代スーパースターの“査定マッチ”だった。ふたりともビンス・マクマホンがイメージするところの“ニューヨークのチャンピオン”ではなかったが、ブレットもマイケルズもまたブルーノ・サンマルチノ、ハルク・ホーガンらに代表される典型的な勧善懲悪スタイルのチャンピオン像を理想とは考えていなかった。  26分40秒の“起承転結”スタイルのレスリング・マッチは、マイケルズのトップロープからのミサイルキックを自爆させたブレットが十八番シャープシューターを決め、マイケルズからギブアップ勝ちを奪った。  試合終了後、アリーナの天井から“人工雪”が降りはじめ、サンタクロースが現れて勝者ブレットとともにひと足早いクリスマスを祝った。この試合はそれから5年後の“運命のサバイバー・シリーズ”、いわゆる“モントリオール事件”への大いなるプロローグだった。(つづく)
斎藤文彦

斎藤文彦

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