“サマースラム”inロンドンが8万人動員――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第130回
それはまるで現代のおとぎばなしだった。ファーストネームにボーイ=男の子という愛称がついた“騎士”がイングランドからカナダ・カルガリーに渡り、ハート王朝の宮殿に招かれた。スチュー・ハート王とヘレン后には男の子8人、女の子4人の12人の子どもたちがいた。若い騎士はハート王の四女ダイアナ王女と恋に落ちた。
イングランドからやってきた騎士の名はデイビーボーイ・スミス。北国カナダの地ではブリティッシュ・ブルドッグという新しい称号=リングネームを与えられた。ハート家の王子たちはいずれも騎士=プロレスラーで、なかでも六男ブレット・ハートと八男オーエン・ハートはその才能を高く評価され、カナダを離れてアメリカに活動の場を求めた。
デイビーボーイが21歳、ダイアナが20歳のときにふたりはカルガリーの教会で結婚式を挙げた。デイビーボーイはハート王朝の一員となったが、ダイアナの兄ブレットと義弟デイビーボーイはいずれはリング上で闘わなければならない運命にあった。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ