ブレット・ハートへの政権交代にまるで“三角トレード”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第132回
ビッグ・サプライズというよりは、これからはじまるまったく新しい長編ドラマのプロローグとなる新チャンピオン誕生シーンだった。“ヒットマン”ブレット・ハートがリック・フレアーを下しWWE世界ヘビー級王座を獲得した(1992年10月12日=カナダ・サスカッチェワン州サスカトゥーン)。
“レッスルマニア8”で“マッチョマン”ランディ・サベージに敗れWWE世界王座から転落したフレアーは、同年の9・1ハーシー大会でサベージを退け5カ月ぶりに同王座を奪回。それから約1カ月後、ブレットに敗れチャンピオンベルトを明け渡した。サベージからフレアー、フレアーからブレットへの政権交代は“三角トレード”のような形だった。
ブレット対フレアーのタイトルマッチは、PPVイベントの目玉カードではなくシンディケーション番組“WWEスーパースターズ”のTVマッチとして収録された。
カナダ・サスカッチェワンはブレットの父スチュー・ハートが現役時代に活躍した思い出の土地で、スチュー&ヘレン夫人はこの日、アリーナで試合を観戦。ブレットは両親が見守るまえでフレアーを下し、念願だったWWE世界王座をその手中に収めた。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ