更新日:2012年12月27日 20:15
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2011年、本当に面白かったマンガはどれだ!?

年末恒例のマンガベストテンが出そろった。『このマンガがすごい!2012』(宝島社)、雑誌『フリースタイル』(フリースタイル)の特集「THE BEST MANGA 2012 このマンガを読め!」、そして『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)の「BOOK OF THE YEAR2011」コミック部門。『すごい!』はマンガ研究者、書店員、ブロガーなどマンガ好き400人以上の投票、『読め!』は研究者、評論家など専門家54人の投票、『ダ・ヴィンチ』は総勢4986人の読者アンケートによるランキングだ。 肝心のベストテンは下記のとおり。見事に三者三様の結果となっている(『すごい!』はオトコ編とオンナ編に分かれているが、ここではオトコ編のみ紹介)。 ◆『このマンガがすごい!』オトコ編ベストテン
このマンガがすごい!

『このマンガがすごい!2012』(宝島社)

1位:『ブラック・ジャック創作秘話』 作/宮崎克、画/吉本浩二 2位:『グラゼニ』 作/森高夕次、画/アダチケイジ 3位:『ましろのおと』羅川真里茂 4位:『HUNTER×HUNTER』冨樫義博 5位:『3月のライオン』羽海野チカ 6位:『どげせん』板垣恵介&RIN 7位:『あの日からのマンガ』しりあがり寿 8位:『進撃の巨人』諌山創 9位:『めしばな刑事タチバナ』 作/坂戸佐兵衛、画/旅井とり 10位:『信長協奏曲』石井あゆみ ◆『このマンガを読め!』ベストテン
フリースタイル

『フリースタイル』(フリースタイル)17号

1位:『I【アイ】』いがらしみきお 2位:『25時のバカンス』市川春子 3位:『地上はポケットの中の庭』田中相 4位:『冒険エレキテ島』鶴田謙二 5位:『ママゴト』松田洋子 6位:『アランの戦争』 エマニュエル・ギベール、訳/野田謙介 7位:『ブラック・ジャック創作秘話』 作/宮崎克、画/吉本浩二 8位:『あの日からのマンガ』しりあがり寿 9位:『竜の学校は山の上』九井諒子 10位:『かわいそうな真弓さん』西村ツチカ ◆『ダ・ヴィンチ』コミック部門ベストテン
ダ・ヴィンチ

『ダ・ヴィンチ』(2012年1月号/メディアファクトリー)

1位:『ONE PIECE』尾田栄一郎 2位:『3月のライオン』羽海野チカ 3位:『聖☆おにいさん』中村光 4位:『鋼の錬金術師』荒川弘 5位:『君に届け』椎名軽穂 6位:『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ 7位:『のだめカンタービレ』二ノ宮知子 8位:『銀の匙』荒川弘 9位:『ちはやふる』末次由紀 10位:『進撃の巨人』諌山創 3つのベストテンすべてにランクインしている作品はゼロ。とりあえず2つのベストテンに入っている『ブラック・ジャック創作秘話』(作/宮崎克、画/吉本浩二)、『3月のライオン』(羽海野チカ)『あの日からのマンガ』(しりあがり寿)、『進撃の巨人』(諌山創)の4作は読んでみる価値ありそうだが、それにしても同じマンガランキングで、なぜこれほどの違いが出てしまうのか。 「要するに“1票の格差”ですよ。『読め!』は54人の投票なので、ある作品を数人がプッシュしただけでも上位にくる。参加しているのが専門家なので、マニアックな作品を推す傾向もあります。逆に、大勢の一般読者によるアンケート方式の『ダ・ヴィンチ』は、誰もが知ってるような有名作品でないと上位に入らない。実際、アニメ化や映画化された作品ばかりですよね。もちろんどれも面白い作品だと思いますが、長く連載が続いているものがほとんどで、“今年のベストテン”としての意味はあまりない気がします。『すごい!』はその中間で、ある意味、バランスは取れていると思います。ただ、今年の1位は正直、ちょっと予想外でしたけど」 そう語るのは、マンガ解説者の南信長氏。南氏自身も『すごい!』と『読め!』の投票に参加しているが、「それぞれまったく別の作品を挙げました」という。 「『すごい!』はオトコ編、オンナ編に分かれているので、どっちに挙げていいかわからない作品もあるんですよね。たとえば『読め!』の3位に入ってる『地上はポケットの中の庭』(田中相)なんかはすごく先鋭的で面白い作品ですが、男女どちらの枠に入れても違和感がある。だから、『すごい!』ではあえて外して、『読め!』のほうで高得点を入れた。あと、“自分が投票しなくても誰かが入れるだろう”と思うような作品は外したりしますから、選挙と同じでランク入りしなかった作品が面白くないというわけじゃない」 では、本当に信用できるランキング、本当に面白いマンガはどれなのか? 「うーん、当然、個人の好き嫌いもあるし、その人がどの程度マンガを読み慣れているかにもよりますよね。『ダ・ヴィンチ』は別として、『すごい!』と『読め!』はランキングそのものよりも、誰がどの作品に票を入れているかに注目したほうがいいかなと。そのなかで“この人とは趣味が合う”“この人の言うことなら信用できる”という選者を見つけて、その人のおすすめを読んでみるのが、この手のランキングの利用法だと思います」 取材・文/日刊SPA!編集部
このマンガがすごい! 2012

400人以上のマンガ好きが選んだ今年のベスト10!

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