更新日:2022年07月24日 16:47
スポーツ

“ステロイド共同謀議”ビンス在宅起訴――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第146回

 1991年のジョージ・ザホリアン医師の“ステロイド裁判”では、ペンシルベニア州ハリスバーグのザホリアン医師の自宅兼クリニックからタイタン・スポーツ社に定期的に発送されていた宅配便の領収書が証拠品として裁判所に提出された。“小包”の中身はナンドロロン・デカノーテ(デカドラボリン=通称デカ)と呼ばれる液体ステロイドのボトルだった。  ザホリアン医師から“通信販売”でステロイドを購入したとされるクライアントにはホーガン、ロディ・パイパー、ランディ・サベージ、カート・ヘニング、アルティメット・ウォリアーといったスーパースターらとともに“36ポンドのダンボール箱”の受け取り人としてビンスの名もリストアップされていた。  ザホリアン医師の“ステロイド裁判”の判決後、ビンスはメディアのインタビュー取材に対し「1987年に実験的に(ステロイドを)使ったことはある。しかし、すぐにやめた」とコメント。起訴直前のインタビューでは「(ステロイドを)友人とシェアしたことはある。法律が変わる以前のはなし」とコメントしたが、その後はこの問題に関するいっさいのコメントを“削除”した。  検察側が法廷で証明しなければならない罪状は、①ビンスおよびタイタン・スポーツ社が会社ぐるみで所属レスラーにステロイドを販売・流通していたかどうか、②ステロイドを使用した選手には使用しなかった選手よりもより多くの“昇進”の機会が与えられていたかどうかの2点だった。
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検察当局はホーガンを…
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